【これからの見通し】来週を見据えて、きょうの米雇用統計に注目

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】来週を見据えて、きょうの米雇用統計に注目

 きょうは6月の米雇用統計が発表される。事前予想は非農業部門雇用者数の伸びが17.8万人程度と前回の13.8万人から増加する見込み。失業率は4.3%と前回から引き続き低水準となる見込み。また、平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.6%とぞれぞれ前回から0.1%ポイント伸びが加速する予想となっている。予想通りであれば、年内あと1回の利上げについて楽観的な見方が広がりそうだ。ただ、非農業部門雇用者数の数字はこのところ予想から乖離する結果が多く、事前予想に信頼感はみられない。この時期に及んでは冬季の特殊要因で伸び鈍化との解釈はもう通用せず、強弱どちらにせよ結果には素直に反応しそうだ。

 今週は政策金利見通しが相場のテーマとなっていた。特にECBの出口戦略に向けた方向性が意識されており、ドイツ10年国債利回りが昨日は0.50%超えと昨年1月以来の高水準となった。米債利回りも上昇しているが、米独利回り格差は縮小傾向となっており、ユーロドル上昇の格好の材料となっている。

 さらに、本日は日銀が5ヶ月ぶりに債券市場で指値オペを実施した。落札額ゼロではあったが、長期金利の上昇を阻止する日銀の姿勢がアピールされる格好となった。日米金利差拡大見通しにつながり、ドル円は113円台前半から後半へと買われた経緯がある。

 きょうの米雇用統計についても、来週のイエレンFRB議長の半期議会証言の材料として注目されよう。今週は欧州の金利動向が相場の主導権を握ったが、来週にかけて米債利回り動向に関心が戻るのかどうか。米雇用統計の市場に与えるインパクトを注意深くチェックしたいところ。

 きょうはその他に、英国のハリファックス住宅価格(6月)、鉱工業生産(5月)、製造業生産高(5月)やカナダの雇用統計(6月)、Ivey購買担当者景況感指数(6月)などの発表が予定されている。また、週末にかけてG20首脳会議がドイツで開催される。海外市場ではあまり反応しなかった北朝鮮問題について、来週の週明けに関連ニュースが出る可能性もある。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明  

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。