株急落や地政学リスク無ければ、円安だけは確実か=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうはユーロの買戻しが強まっており、ユーロドルは再び1.14台に上昇している。この日発表のECB議事録で「資産購入拡大の用意」という文言の削除も議論されていたことが明らかとなりユーロロングを再び刺激しているようだ。

 相対的にドル安になってはいるが、FRBは正常化に向けたタカ派姿勢を簡単には崩しそうに無く、米経済指標に強い内容が出始めるようであれば、一気にドル高に反転するとの見方も出ている。

 また、ポンドについても利上げ期待は高まっているものの、インフレ指標のみが強いだけで、他の消費や生産の指標は冴えない内容が続いていることから、利上げのハードルは市場の期待ほど低くはないとの見解も見られる。

 ドルか欧州通貨か、この先どの通貨が先行するのかは未知数ではあるが、確実なのは円は最後ということであろう。ここに来て各国の国債利回りは急上昇している。日本の10年物国債も上昇しているようだが、それでも0.1%に留まっている状況。

 今週発表になっていた1-3月期の需給ギャップは08年以来の高水準となっており3期連続のプラスとなっていたようだ。日銀は2%達成に向けて、予想インフレと伴に需給ギャップも重視している。

 日本もそれなりにインフレの芽はあるものの、何せ足元の消費者物価はコアコア指数で前年比0%の状況が続いており、2%は遥か彼方だ。

 先日のECBフォーラムで各国の総裁が出口戦略を語っていたのに対して、黒田総裁だけは「企業は依然として支出に慎重」と述べるに留まっている。

 確かに1人取り残された感もあり寂しい状況ではあるが、ただ、円安は日本経済にとっては追い風なのかもしれない。トランプ大統領に対対する説明も十分に付く。

USD/JPY 113.22 EUR/JPY 129.32
GBP/JPY 146.86 AUD/JPY 85.91

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
 

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