【これからの見通し】クロス円主導の展開、欧州通貨主役の相場が続くか 前日の海外市場では米国株が大幅高だった。銀行株が買いを主導した。ECBや英中銀などの総裁からはタカ派の姿勢が示されており、ドイツや英国の国債利回りが上昇。銀行にとっては収益チャンスが広がることが期待されていた。為替市場ではユーロドルやポンドドルが米国との金利差縮小を受けて大幅上昇となっている。 また、カナダドルも堅調。ポロズ加中銀総裁が今後の利上げの可能性を示唆したことが、引き続き買い圧力となっている。カナダドルは対豪ドルでもパリティ水準をカナダドル高方向に下回ってきている。 そのような地合いのなかで、ドル円は112円台で足固めの動き。日米金利差は拡大傾向となっているが、相場の主役はユーロやポンドなどに取って代わられている。クロス円が大幅高となるのを横目に我慢の相場展開になっている。 きょうはロンドン市場では、ドイツ消費者物価指数・速報値(6月)が日本時間午後9時に発表される。前年比の伸びは1.4%程度と、前回の1.5%からは鈍る予想となっている。タカ派のニュースに反応しやすいなかで、インフレの鈍化は冷水となる可能性があり注意したい。ただ、予想程度の数字であれば、ユーロ買いの流れは継続しそうだ。 NY市場では、日本時間午後9時半に米実質GDP・確報値(第1四半期)が発表される。確報値とあって、改定値からの大幅な変更がなければ反応薄となる可能性が高いだろう。デフレータなどインフレ関連の項目に注目しておきたい。同時刻には米新規失業保険申請件数(24日までの週)も発表される。講演は、ブラード・セントルイス連銀総裁が予定されている。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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