きょうのNY為替市場は後半になってドル売りが優勢となった。この日発表になった米中古住宅販売件数は予想を上回る内容となりドル円も買いの反応を見せたが、一時的な動きに留まっている。市場の関心は原油に向かっており、せっかくの強い指標も反応は限定的となったようだ。 その原油だが、米中古住宅販売件数のすぐあとに米週間石油在庫統計の発表があり、原油在庫が減少していたことから、発表直後は原油相場も買いの反応を見せていた。しかし、直ぐに上値を抑えられ、上げを維持できずに失速したことから、ダウ平均や米国債利回りと伴にドル円も失速した。 ドル円は111.75付近まで上昇したが、前日同様に上値を拒まれ、終盤になると原油が下げ足を速めたことから111円台前半まで下落している。 FRBが正常化に向けてタカ派姿勢を堅持していることが下支えしている。しかし、原油安とインフレ鈍化への懸念も根強く上値も重い。そのような中、111円台で方向感のない展開が続いている状況。 一方、ユーロドルはNY時間の終盤に入って買い戻しが加速した。原油安が続く中、インフレ鈍化懸念から米国債利回りが上昇を見せず、イールドカーブのフラット化が進む中、ユーロドルは上値を抑えていた1.1150水準を突破し、ストップを巻き込んだようだ。1.1165近辺まで上昇。 ただ、原油安によるインフレ鈍化はユーロ圏にも同じことが言える。ECBは先日の理事会で出口戦略に一歩舵を切ったものの、慎重姿勢は崩していない。そのような中、再びユーロドルが上値を目指すかは未知数の部分も多い。 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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