きょうのNY為替市場でドルは重要イベントを経て、下に往って来いの展開となった。朝方発表された米消費者物価(CPI)と小売売上高が伴に弱い数字でドル円は発表後、100ポイント超急落した。かなり期待を裏切る内容だったことから失望売りが加速したようだ。特にCPIがコア指数で前年比1.7%と予想を下回り、インフレ鈍化傾向を鮮明にしたことが失望感を招いたようだ。 ただ、午後に発表されたFOMCを受けて、ドルは買い戻しが膨らんでいる。大方の予想通り利上げを実施してきた。経済見通しについても、今年のインフレ見通しは下方修正したものの、成長見通しは上方修正している。また、注目のFOMCメンバーの金利見通しも前回から変わっておらず、中央値では年内はあと1回、来年は3回の利上げを見込んでいる。 バランスシート縮小計画も示され、当初は月100億ドルづつ縮小し、3ヵ月ごとに見直す具体策を示した。ただ、開始時期については明言していない。 インフレについてイエレン議長は、インフレが上向いた証拠はないとしているものの、数回のインフレ指標に過剰反応しないことが重要とも述べている。また、インフレは一部のちょっとした(ONE-OFF)物価の下げを反映とも言及。 全体的には正常化に向けてタカ派姿勢を堅持している印象だ。保有資産の縮小は比較的早期の実施があり得るとも議長は語っており、9月は利上げを見送り、資産縮小開始との見方も出てているが、まだ9月までは時間があり、様子見といったところなかもしれない。 ドル円は一時108円台に下落する場面も見られたが、FOMCを受けて109円台後半まで戻す場面も見られた。ユーロドルはCPI後の上げを帳消しにしている。一時1.13手前まで上昇したものの、FOMC後に1.12を割り込む場面も見られた。 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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