欧州株反発で円売り先行、英インフレ上昇でポンド買い=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
欧州株反発で円売り先行、英インフレ上昇でポンド買い=ロンドン為替概況

 13日のロンドン市場は、欧州株の反発を背景に円売りが先行した。前日に大幅安となったハイテク株がきょうは反発しており、リスク警戒的な円買いに巻き戻しが入っている。ドル円は110円ちょうど近辺から一時110.27レベルまで上昇。その後は欧州株がプラス圏を維持しているが、110円台前半でドル円の買いは一服。

 ユーロ円は、ドル円やユーロドルの上昇を伴って、123.10-20レベルから一時123.75近辺まで高値を伸ばした。しかし、6月のドイツZEW景況感指数は18.6と事前予想21.7を下回り、前回の20.6からも低下した。発表直後は反応薄だったが、次第に売り戻されてユーロ円は123.30台までの反落となっている。ユーロドルは序盤に1.12台を回復したあとは1.12台前半での振幅に留まっている。

 ポンド円は堅調な動きを継続。序盤から買いが先行したが、5月の一連の英物価指標の発表後に、一段と高値を伸ばしている。この日発表された5月の英消費者物価指数は、前年比+2.9%と事前予想を上回る伸びを示した。2013年6月以来、約4年ぶりの高水準となった。ポンド相場には対ユーロでの買いフローも入っている。ポンド円は139円台前半から140円台乗せ。ポンドドルは1.26台半ばから1.27台乗せへと上昇。ユーロポンドは0.88台半ばから一時0.88台割れまで下落。

 取引中盤には、ショイブレ独財務相が、英国がEU離脱を撤回して復帰したい場合は、歓迎する(扉は開かれている)と述べた。これが一段のポンド買いを誘った面もあったようだ。また、メイ英首相は本日中にDUP党首と会談するもよう。

 カナダドルが引き続き堅調。豪ドル/カナダドルは一時0.9992レベルに低下しており、豪ドル安・カナダ高方向にパリティ水準を割り込んだ。前日にウィルキンス・カナダ中銀(BOC) 上級副総裁が今後の利上げに含みをもたせたことがカナダドル買いの背景。カナダ円は83円近辺と豪ドル円と同水準へと上昇。ドルカナダは1.32台半ばまで下押し。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。