【これからの見通し】8日の英総選挙、政治リスクが再び意識される動き 昨日の海外市場では総じて株式が下落した。先週には米株式市場で主要3指数が最高値を更新、昨日には英FT指数も最高値をつけている。ただ、高値警戒感がでてきており、終値ではマイナスとなった。きょうの日経平均は円高の動きとともに200円近い下げで引けた。リスク警戒感が広がっており、NY金先物は4月24日以来の高値水準。典型的な安全資産買いの動きになっている。 英国で立て続けに発生したテロ事件が英政治の安定性に影を落としている。これまで優勢を保ってきたメイ首相率いる保守党と野党労働党との支持率の格差が足元で縮小してきている。 ドル円は東京午前の取引で米債利回り低下とともに下落。110円台を割り込んだ。直接の円買い・ドル売り方向の材料・ニュースはなく、イベントを控えたポジション調整、政治リスクへの不安感などがきっかけとなったもよう。 このところのドル円の値動きは、4月23日の仏大統領選・第1回投票前夜の値動きと類似している。このときの円高局面でドル円相場は、仏大統領選直前の4月17日に108.13レベルの安値をつけたことは記憶に新しい。日銀短観の想定レートは108.43レベル。再び108円台が意識されそうだ。 きょうはユーロ圏小売売上高、カナダIvey購買部担当者景況感指数などの発表が予定されているほか、目立った米英の経済統計発表は見当たらない。米金融当局者はブラックアウト期間に入っている。英総選挙とともに8日のECB理事会を控えて観測報道などには注意しておきたい。ただ、東京市場の値動きを見る限りは、フロー主導の展開となりそうだ。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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