ドル円はデットクロスが示現しそうだが、ダマシになる可能性も留意=NY為替

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 NY時間の終盤に入ってドル円は買戻しの動きを続けており、111.75近辺で推移している。きょうのNY為替市場はドル買い戻しの動きが強まっており、ドル円も111円台後半まで上昇している。

 この日発表の米住宅指標は予想を下回る内容で、特段のドル買いの材料は見当たらない中、きょうは米予算教書がトランプ政権から提出されており、その後に米国債利回りの上昇と伴にドルは買い戻しが強まっている。

 予算教書は概ね事前に伝わっていた通りの内容で、インフラ投資や国防費の増大などと同時に財政再建のため、オバマケアの見直しと低所得者向けメディケイドの削減なども盛り込まれていた。

 ロシア疑惑などでトランプ大統領の政権運営への不安感が高まる中、一部ではネガティブな反応も警戒されたが、米株がしっかりとプラス圏を維持するなど、ネガティブな反応を示していないことに安心感に繋がったのかもしれない。

 また、明日は5月開催のFOMC議事録が発表されるが、今月発表になった米CPIや小売売上高発表の前のFOMCで、6月の利上げを正当化する内容の可能性もあり一旦、ドルショートを調整する動きも出ているのかもしれない。

 ドル円の目先の上値レジスタンスとしては、本日の高値付近でもある、5月11日からの下げのフィボナッチ38.2%戻しの水準が111.80付近にあり、そして、112円台に入ると前半に21日線が控えている。

 ドル円は10日線と21日線のデットクロスが示現しそうだが、明日以降の動き次第ではダマシになる可能性も留意する必要がありそうだ。

USD/JPY 111.75

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
 

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