有賀泰夫の有望株リサーチ  … サイバーエージェント

配信元:株探
著者:Kabutan
●サイバーエージェント <4751> 

―評価のカギは成長性、新市場獲得へ挑戦続く―

 このところ、全体相場に頭打ち感がある中、ビジネスモデルの競争力が高く、2ケタ増益を中期的に続けており、今後も中長期にわたって同等の成長が見込めそうな銘柄が集中的に物色され、バリュエーションの切り上がる例が目立ち始めています。

 当コラムの銘柄で言えば、ニトリHD <9843> やアリアケジャパン <2815> になります。これらは繰り返し当コラムで取りあげています。

 2016年2月にご紹介した寿スピリッツ <2222> は当時バリュエーションが切り上がりすぎたため途中で降りてしまったのですが、改めて評価されています。

 このほかではセリア <2782> [JQ]なども高バリュエーションながら、高値を更新している銘柄です。

 昨今、日経平均株価がなかなか2万円を超えないという議論がしばしば聞かれます。しかし、2012年末には1万円を切っていたわけですので、そこから4年半で2倍になっているのですから、この25年の市場の状況から言えば、むしろ十分上がっているのではないかという言い方もできます。

 つまり、全体的にバリュエーションが切り上がったわけですので、さらにバリュエーションが切り上がるためには利益成長が不可欠です。そこで、特に成長の確率が高い企業が脚光を浴びているということでしょう。

 過去にも同様な動きがあって、2000年前後のITバブルと言われた時期にも成長株だけに高いプレミアムがつきました。IT関連はとんでもないバリュエーションになったのですが、内需成長株にもとてつもないPERがつきました。当時はアリアケジャパンのPERは70倍を超えていました。同様にセブン・イレブン(現セブン&アイ・ホールディングス <3382> )、菱食(現三菱食品 <7451> )、伊藤園 <2593> 、ヤマトホールディングス <9064> なども他の銘柄とは比較にならないPERまで買われました。

 現状の環境は当時と違う面もありますが、いくつかの点では似通った点もあり、ここから先、成長株だけがさらに買われる現象が起こる可能性が高まっています。そんな中から、今回はサイバーエージェント <4751> に注目してみたいと思います。

 同社は広告市場で最も成長性が高いインターネット広告でトップシェアにありながら、着実にシェアを高め、存在感を強めています。業績も高水準ですが、常に新たな市場の獲得に向けて巨額の先行投資を行いながら、高収益を上げ続けています。現在もインターネット無料テレビという誰も手掛けなかった市場にチャレンジし、成功を掴もうとしています。

(5月19日 記)

有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。

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