【来週の注目材料】協調減産延長期待が広がる<OPEC総会>

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 今月初めに43ドル台を付けるなど、一時値を落としていた原油先物は、このところ少し持ち直しを見せています。

 原油価格回復の背景には、供給過剰懸念が後退していることがあります。

 米エネルギー庁エネルギー情報局(EIA)が毎週発表している週間石油在庫統計において、原油在庫は4月12日に発表された4月1日から7日分から、5月17日発表の最新データである5月6日から12日分まで、6週連続で在庫が減少。

 特に10日に発表された4月29日から5月5日分は、予想が178.6万バレルの減少だったのに対して、524.7万バレルの大幅減少となり、市場の過剰在庫懸念が後退しました。

 今年に入って、1月12日に発表された12月30日から1月6日分から9週連続で在庫が増加するなど、年序盤の原油余剰懸念がかなり後退した格好です。

 1月から実施されているOPECとロシアなど非OPECの産油国による協調減産が、かなり功を奏している格好です。

 もっとも、リビアの増産懸念や今回の協調減産には加わっていない米国内のシェールオイル生産の拡大傾向などもあり、NY原油先物は3月から4月にかけていったん下落。4月の半ばにかけていったん戻したものの、5月5日に今年の最安値である43.76ドルを付けるなど、今月初めにかけて安値を更新する流れが見られました。

 米国の在庫減もあって、安値からは値を戻していますが、今後、再び値を落とさないためにも、来月末が期限となる協調減産の延長期待が広がっています。

 今回の減産の中心となったサウジアラビアと、非OPEC産油国の代表格ロシアは、今月15日に北京で協議を行い、協調減産の期限を来年3月まで9か月延長することで基本合意しました。

 思ったほど戻ってこない原油価格に対する不満などが、この合意にあるようです。

 こうした中、来週25日に半期に一度のOPEC総会がOPECの本部があるウィーンで開かれます。

 当初から3か月~6か月程度の減産延長が話として出ていましたが、先週のサウジアラビアとロシアとの9か月の合意が決まったことで、加盟各国も9か月の英帳を合意するとの期待が広がっています。

 また、これまでの減産に加わっていなかった非OPEC産油国のうち、エジプトやトルクメニスタンなども減産に協力を示す可能性があります。

 こうした結果、産油国の時給バランス改善への強い姿勢が打ち出されると、NY原油をはじめ原油価格のもう一段の上昇を誘い、さらには、国際商品価格全体の上昇圧力にもつながって、資源国通貨の買いが広がる可能性があります。

みんかぶ「KlugFX」山岡和雅 

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