きょうのNY為替市場はユーロ買いが続いており、ドルは相対的に売りが優勢となった。ドル円は113円を割り込んでいる。この日発表になった米住宅指標が予想を下回ったことをきっかけにドル円の戻り売りが強まっている。為替市場はユーロに資金が集中しており、相対的にドル安の動きが続いていた。 円安がドル円をサポートしていたが、米株や原油もきょうは上値が重かったことから、短期筋が見切売りを入れたものと思われる。先週の米消費者物価(CPI)や小売売上高を受けて市場は6月の利上げ期待をやや後退させている。ドル円も4月中旬に反転の動きを見せ、108円台前半から一時114円台まで一本調子に上昇していた。ここに来てさすがに一服感も出ているようだ。 ただ、FRBの6月利上げが若干後退したとはいえ、CMEが算出しているFEDウォッチでは利上げの確率はまだ74%高水準で推移している。いまのところは調整の範囲といったところではある。 ドル円は100日線が控える112.95付近まで一時下落。その後は下げ渋ったものの、この日下回った10日線の113.30付近で上値を抑えられている。 一方、ユーロ買いが続いており、ユーロドルは心理的節目の1.10を突破し、一気に1.11手前まで上昇。本格的な景気回復から、6月にもECBがガイダンスを変更し、出口戦略に向けて舵を切るとの期待を市場は高めているようだ。反応は限定的だったが、この日発表の3月のユーロ圏貿易収支は予想を上回る黒字で、特に輸出がユーロ発足以来最高となっていた。景気回復を裏付ける動きとの指摘も出ている。 昨年5月高値から今年1月安値のフィボナッチ61.8%戻しが1.11ドル台前半にあり、目先の上値ターゲットとして意識される。 ユーロ円も一時125.75付近まで上昇する場面が見られた。 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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