ドル円113円台後半、ユーロはドラギ証言でやや上値重く=ロンドン為替概況 10日のロンドン市場は、方向性が見出しにくい値動き。ドル円は113円台後半から一時114円台に乗せたが、上値も重く113円台後半へと押し戻されている。欧州株が総じて軟調に推移しており、米債利回りも低下している。ドル円にとっては一段の買い材料が欲しいところだった。 ユーロは上値が重い。ユーロドルは1.08台後半での取引のなかで、1.09台乗せには至らず1.0860近辺へと売りが優勢。ユーロ円は序盤に124円台に乗せたが、前日高値には届かずに123円台半ばまで反落した。ドラギ総裁発言ではユーロ圏経済の回復が確認されたものの、不均衡拡大や賃金について指摘があった。 ドラギ総裁はオランダ議会での証言で、ユーロ圏は明確に改善してきている、回復は広範な分野で上向きに進展などと述べた。ECBの金融措置はきわめて有効ともしている。ただ、いくつかの国では不均衡が増大している、経済が成功したと宣言するのは時期尚早、賃金は景気回復にまだ反応していない、と述べている。きょうのECB経済報告でも労働市場のゆるみが賃金上昇を抑制していると分析していた。賃金動向が今後のECB金融政策にとって注目されそうだ。 ポンド相場が買いが先行。ポンドドルは1.2990近辺へと買われた。しかし、節目の1.30台には届かず、1.2950割れ水準まで反落。ポンド円も序盤に148円台乗せも中盤には147円台前半に押し戻された。この日は対ユーロでのポンド買いが優勢になっている。下押しはユーロとくらべて限定的。 オセアニア通貨は堅調。特にNZドル買いが広がっており、対ドルで0.69台半ばへ、対円では79円台乗せへと一貫して買われ続けている。あすの東京早朝にはニュージーランド中銀が金融政策を発表する。大方の予想は政策金利の据え置きとなっているが、声明や中銀総裁会見などに期待があるようだ。豪ドルも連れ高。豪ドル/ドルは0.73台後半へ、豪ドル円は84円台乗せへと上昇。目立った調整は入っていない。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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