きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は一時114円台を回復した。仏大統領選も無難に通過し、改めて市場は米経済のファンダメンタルズに意識を傾けている模様。FRBは先週のFOMC声明で、第1四半期の減速は一過性と言及し、その後の米雇用統計も予想を上回る内容で失業率は4.4%まで低下していた。完全雇用の状態と言える。また、警戒されていた米企業決算も峠を越し、概ね良好な内容が多く、それを受けて米株も最高値を更新している。 市場では米利上げ期待を再び織り込み始めており、一部からは年内あと2回の利上げと、来年の2回もしくは3回の利上げ期待を市場は過小評価しているとの見方も出ている。 ドル円は、昨年12月から4月までの下降波のフィボナッチ50%戻しが113.35付近にあるが、きょうの上げでその水準を上回ってきている。そうなると目先の上値目標としては上記フィボナッチの61.8%戻しということになるが、114.65円付近に来ており意識される。 時間足ベースではさすがに過熱感が出ているが、日足ベースのRSIは買われ過ぎの水準である70を本日上回ったばかりで、まだ、極めて買われ過ぎているといった水準でもない。昨年11月以降のトランプ相場の上昇時には80まで上がっていた。 なお、終盤になってドル円は急速に利益確定売りに押され、114円台は維持できなかった。北朝鮮の駐英大使の「わが国は6回目の核実験の準備を進めている」との発言が流れ敏感に反応したようだ。 また、ロス米商務長官の発言が伝わっており、米国の3%成長は今年は達成できない可能性に言及。更に、「ドルが強過ぎるのではなく、他の通貨が弱過ぎる」とも述べていた。 一方、ユーロドルは戻り売りが優勢となり、1.08台に下落している。ただ、ショイブレ独財務相がECBはまもなく金利正常化を開始すると見られると述べていたが、ECBが出口戦略に舵を切るとの期待は根強く、下値ではユーロの押し目買い意欲も強いようだ。 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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