NY時間の終盤に入ってドル円に売りが強まっており、107円を一時割り込んでいる。米株式市場でダウ平均の下げが加速しており、下げ幅が一時200ドルを超えた。その動きを受けて円高の動きがドル円を下押しした模様。市場では米経済の先行きに対して楽観的な見方が根強い一方で、感染第2波への警戒感も高まっている状況。 経済活動を再開した米州の一部で、再び感染拡大が伝わっており、きょうもテキサス州がこの24時間で入院者が11%急増したと発表した。フロリダ州も感染者が過去7日間の平均以上に拡大しており、中国では北京市が警戒レベルを引き上げている。 先行きへの楽観視と感染第2波への警戒の綱引きといった状況の中で、市場は調整の動きを続けている。 なお、きょうもパウエルFRB議長の議会証言が行われていたが、それ自体への反応は限定的。議長は「米国でのマイナス金利は適切とは見ていない」と述べていた。また、「イールドカーブコントロール(YCC)の採用は決定していない」と再度言及していた。 ユーロドルは1.12ドル台前半に下落。市場の一部からは、現状の環境下ではユーロドルが直近の上げを取り戻すのは難しいとの見方も出てきている。ECBの金融緩和拡大や復興基金などの財政刺激策はすでにレートに織り込まれているという。目先は1.11ドル台まで下落するかどうか意識される。その下は21日線が1.11ドル台半ばに来ており注目のポイントなりそうだ。 ポンドドルは1.25ドル台前半まで一時下落。この日は5月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、前年比0.5%と前月の0.8%から更に鈍化した。これを受けて市場では、英中銀は今週の英中銀金融政策委員会(MPC)で追加緩和を発表するとの見方を確信に近づけているようだ。今回の結果は低インフレは長期に渡るとの見方も出ているようだ。1000億ポンドの資産購入枠の拡大が有力視されているが、一部には1500億ポンドの増額するとの予測も出ている模様。 ただ、ポンドはすでに織り込んでおり、反応については未知数。むしろ、会見などでマイナス金利のヒントが出るかどうかに注目が集まっているとの声も出ている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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