株価指数先物【引け後コメント】バフェット氏のバリューシフトによるTOPIX優位を見極める

配信元:株探
著者:Kabutan
大証9月限
日経225先物 23160  +270 (+1.17%)
TOPIX先物 1616.0  +12.5 (+0.77%)

 日経225先物は先週末比270円高(+1.17%)の2万3160円で取引を終了。

 次期総裁に市場の関心が集まるなか、菅官房長官の擁立論が自民党内で強まっていると伝わり、金融政策の方向性は変わらないとしてポジティブに反応。また、バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家であるウオーレン・バフェット氏が大手商社5社の株式を取得したと報じられたことも支援材料となった。

 これらのインパクトによって、寄り付きは2万3120円とシカゴ先物清算値(2万2935円)を大きく上回るギャップスタートに。ほぼ寄り付き水準を安値にその後も上昇を続け、現物の前引け直後には2万3370円まで上げ幅を広げた。これにより先週末の急落分を吸収した形となり目先達成感が台頭。短期筋のショートカバーも一巡したとの見方もあって、後場はこう着感の強い相場展開のなか、引けにかけて上げ幅を縮めている。

 菅官房長官の擁立報道を受けたファースト・インプレッションはポジティブであった。ただ、まだ決定したわけではないため、総裁選を経て次期総裁が決まるまでは先回り的な動きは限られる。一方、バフェット氏による大手商社5社の株式取得は市場のムードを大きく変えている。米国市場においてもグロースからバリュー株へのシフトが出てくるかが注目されよう。

 米国市場では今週も重要な経済指標の発表が予定されているが、センチメントは良好である。日経平均は引き続きオプション権利行使価格の2万3250円を中心として、権利行使価格である2万3125円を下限、2万3375円を上限とするレンジ内での推移を想定。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.33と上昇している。上値抵抗線として意識される25日移動平均線が14.37辺りに位置している。これを明確に上放れてくるようだとNTロングとなろうが、バフェット氏のバリューシフトを背景に、抵抗線水準ではNTショートの流れが意識されてきそうである。

 手口面では日経225先物は、ABNアムロが3090枚、バークレイズが880枚、ソジェンが730枚程度の売り越しに対して、モルガンSが1710枚、野村が1570枚、クレディスイスが1150枚程度の買い越し。TOPIX先物では、UBSが1930枚、モルガンSが880枚、バークレイズが870枚程度の売り越し。一方でメリルが2050枚、ソジェンが1190枚程度の買い越しとなった。日経225先物の野村の買い越しはレバETFなどの調整に伴う買いとみられ、クレディスイスはCTA経由のショートカバーといったところであろう。

株探ニュース

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