「日経225先物は52週線到達でいったんは調整一巡感も」 今週の日経225先物は、2万7000円固めからいったんはリバウンドが意識されそうだ。先週は2万8000円に上値を抑えられる格好で調整が強まり、2万7500円水準ではクレディスイスによるショートカバーの動きも見られた。しかし、新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染拡大による世界景気の減速懸念のほか、アフガン情勢による地政学リスク、中国当局による規制強化の動き、さらには米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨における年内のテーパリング開始示唆を嫌気した米国株安など不安要因が重なり、2万7000円を割り込んだ。週末にはクレディスイスが再びショートポジションを積み増しており、裁定解消売りを誘発させている。 また、米国市場では景気敏感株を中心にリスク資産を圧縮する動きが強まり、この流れが東京市場へも波及。加えて、トヨタ自動車 <7203>の減産報道もトリガーとなって景気敏感株の売りに拍車が掛かり、ヘッジ対応の先物売りにもつながっていた。これにより、日経225先物は週末に2万6910円まで下落した後、ナイトセッションでは2万6850円まで下落幅を広げている。 先週の下落で52週移動平均線を割り込み、調整トレンド入りが一段と強まる可能性がある一方で、いったんは調整一巡感が意識されやすい水準となる。20日の米国市場ではダラス連銀総裁が変異株の感染拡大が収まらなければ、テーパリング開始時期を遅らせる可能性を示したことが早期緩和縮小への警戒感を和らげ、買い戻しにつながった。これを受けて、一時は崩れた日経225先物のナイトセッションも結局2万7240円で終えている。 そのため、週初は自律反発が見込まれる。ただし、中国当局が幅広い業種で締め付けを強化するなかで中国リスクが警戒されており、日中はハンセン指数の動向に振られやすい状況が続きそうだ。また、ジャクソンホール年次シンポジウムがオンライン形式で27日に開催される(当初予定の26~28日の対面開催が変更)。緩和縮小を巡り利益確定の動きも引き続き出やすい需給状況であろう。なお、VIX指数は19日に24.74まで上昇した後、20日には18.56に低下しており、ボラティリティの高い状態はしばらく続くと見ておいた方がよさそうである。 先週のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。景気敏感株への利益確定が強まったことにより、NTショートの巻き戻しが若干ながら意識された格好である。上値抵抗線として機能している25日線は14.39倍水準に位置しており、この水準を捉えてくるかが注目される。 8月2週(8月10日-13日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算で3週連続で買い越しており、買い越し額は3465億円(前週は3981億円の買い越し)だった。この週は主要企業の好決算が目立っていたことがセンチメントを改善させており、日経平均株価は約1カ月ぶりに2万8000円を回復。なお、現物株は海外投資家が1576億円の買い越し(同710億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は1889億円の買い越し(同3271億円の買い越し)と3週連続で買い越している。 経済スケジュールでは、23日に米国8月製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)。24日に米国8月リッチモンド連銀製造業指数。25日に米国7月耐久財受注。26日に米国4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値。27日に米国7月個人所得、米国8月ミシガン大学消費者態度指数確報値などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 1月限 日経225 27774.95 TOPIX 1832.70 2月限 日経225 29718.77 TOPIX 1940.02 3月限 日経225 29282.41 TOPIX 1930.42 4月限 日経225 29909.73 TOPIX 1961.13 5月限 日経225 27748.22 TOPIX 1871.53 6月限 日経225 29046.40 TOPIX 1958.82 7月限 日経225 27726.72 TOPIX 1897.15 8月限 日経225 28093.15 TOPIX 1958.27 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 21/9 8月20日 27130 27310 26910 27010 -200 21/9 8月19日 27540 27640 27200 27210 -390 21/9 8月18日 27300 27660 27250 27600 +240 21/9 8月17日 27530 27740 27340 27360 -120 21/9 8月16日 27980 28070 27380 27480 -510 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 21/9 8月20日 1891.0 1903.5 1874.5 1881.5 -14.0 21/9 8月19日 1919.0 1927.0 1893.0 1895.5 -27.5 21/9 8月18日 1908.0 1931.5 1907.0 1923.0 +11.0 21/9 8月17日 1923.5 1935.5 1912.0 1912.0 -10.0 21/9 8月16日 1956.5 1961.0 1918.0 1922.0 -35.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 8月20日(9月限) 27260 +250 8月19日(9月限) 27250 +40 8月18日(9月限) 27415 -185 8月17日(9月限) 27455 +95 8月16日(9月限) 27660 +180 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 08月13日 4539億円 -133億円 6780億円 +575億円 08月06日 4672億円 -516億円 6204億円 -35億円 07月30日 5189億円 -963億円 6239億円 -398億円 07月21日 6153億円 +356億円 6637億円 -334億円 07月16日 5797億円 +3232億円 6972億円 +505億円 07月09日 2564億円 +114億円 6466億円 -2058億円 07月02日 2450億円 +293億円 8525億円 -208億円 06月25日 2156億円 -29億円 8733億円 +925億円 06月18日 2185億円 -2082億円 7808億円 +557億円 06月11日 4267億円 -3768億円 7250億円 +2417億円 06月04日 8035億円 -71億円 4832億円 -663億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 08月18日 1億6239万株 -354万株 2億0889万株 -678万株 08月17日 1億6594万株 -59万株 2億1567万株 -42万株 08月16日 1億6653万株 +1452万株 2億1610万株 -1299万株 08月13日 1億5201万株 -42万株 2億2909万株 +329万株 08月12日 1億5244万株 +1107万株 2億2580万株 +773万株 08月11日 1億4136万株 -390万株 2億1806万株 +234万株 08月10日 1億4527万株 -1454万株 2億1572万株 +139万株 08月06日 1億5981万株 -311万株 2億1433万株 -239万株 08月05日 1億6293万株 -3万株 2億1672万株 -101万株 08月04日 1億6296万株 -718万株 2億1774万株 -56万株 08月03日 1億7015万株 +98万株 2億1830万株 -164万株 08月02日 1億6917万株 -1396万株 2億1994万株 +78万株 07月30日 1億8313万株 +105万株 2億1916万株 -801万株 07月29日 1億8207万株 -279万株 2億2717万株 +337万株 07月28日 1億8487万株 +18万株 2億2380万株 -514万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 9月4日 801億円 9月9日 801億円 9月15日 801億円 9月17日 801億円 9月23日 801億円 9月24日 801億円 9月29日 801億円 10月14日 701億円 10月16日 701億円 10月22日 701億円 10月28日 701億円 10月29日 701億円 10月30日 701億円 11月13日 701億円 11月18日 701億円 12月21日 701億円 12月22日 701億円 12月30日 701億円 1月4日 501億円 1月15日 501億円 1月20日 501億円 1月28日 501億円 2月26日 501億円 3月4日 501億円 3月5日 501億円 3月22日 501億円 3月24日 701億円 3月30日 501億円 4月21日 701億円 6月21日 701億円 株探ニュース
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