株価指数先物【寄り前コメント】 買い先行も政権運営への不透明感からショート仕掛けてくる可能性も

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27240 +230 (+0.85%)
TOPIX先物 1896.5 +15.0 (+0.79%)
シカゴ先物 27260 +250
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ダラス連銀総裁が新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染拡大が収まらなければ、テーパリング開始時期を遅らせる可能性を示したことが早期緩和縮小への警戒感を和らげ、買い戻しにつながった。景気敏感株は総じて上値が重い展開だったものの、マイクロソフトやアップル、アルファベットA、フェイスブックAなど大型テック株のほか、エヌビディアなど半導体株が買われた。S&P500業種別指数はソフトウエア・サービス、耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置が上昇した半面、食品・飲料・タバコが下落。

 シカゴ先物清算値は日中大阪比250円高の2万7260円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比130円安の2万6880円で始まり、2万6850円まで下落幅を広げた。ただし、その後は2万7000円を挟んだ保ち合いから緩やかなリバウンドを見せており、取引終了間際には一時2万7290円まで上昇し、2万7240円で取引を終えている。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まることになり、2万7000円水準での底固めの展開か。先週の下落で52週移動平均線を割り込んでおり、いったんは調整一巡感が意識されやすい水準となる。一方で、横浜市長選挙では立憲民主党推薦の山中氏が、菅総理支援の小此木氏に大差をつけて当選を果たした。政権運営への不透明感が高まる可能性があり、戻りの局面ではショートを仕掛けてくる動きを警戒しておく必要もあるだろう。そのため、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行も、次第にこう着感が強まりやすい。

 先週のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇。景気敏感株への利益確定が強まったことにより、NTショートの巻き戻しが若干ながら見られた格好だ。米国市場では大型テック株が買われていることもあり、ややグロース優位が意識される。そのため、NTショート(日経225先物売り・TOPIX先物買い)の巻き戻しが強まる需給変化も想定しておきたいところか。上値抵抗線として機能している25日移動平均線は14.39倍に位置しており、この水準を捉えてくるかが注目されよう。

 なお、VIX指数は19日に24.74まで上昇した後、20日には18.56に低下している。投資家心理の過度な悪化はひとまず和らいだ格好だが、ボラティリティの高い状態はしばらく続くと見ておいた方が良さそうである。このほか、中国当局による規制強化の動きにも引き続き警戒する必要があると見られ、日中はハンセン指数の動向に振られやすいだろう。

株探ニュース

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