株価指数先物【寄り前コメント】 米CPI通過で自律反発を意識も、戻り待ち狙いのショートスタンス

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 26320 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 1864.0 +2.5 (+0.13%)
シカゴ日経平均先物 26300 -20
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目された3月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比1.2%上昇し市場予想をやや上回った。ただし、食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%上昇と2月の0.5%上昇から縮小し、予想も下回ったことでインフレ加速への警戒感が和らぐ格好となった。この結果を受けて長期金利は低下し、半導体株の一角に買い戻しも見られ、買い先行で始まった。ただし、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めに向かう状況は変わらないとして、買い一巡後は次第に売りの勢いが増す格好から下げに転じた。S&P500業種別指数はエネルギー、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器が下落する一方で、銀行、医薬品・バイオテクノロジー、商業サービス・用品が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は日中大阪比20円安の2万6300円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比60円安の2万6260円で始まり、開始直後につけた2万6240円を安値にリバウンドを見せると、米国市場の取引開始後には一時2万6650円まで上げ幅を広げた。ただし、その後は利食いに押されて上げ幅を縮め、日中比変わらずの2万6320円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まろう。注目されていた米CPIはコアCPIが予想を下回ったこともあり、いったんはイベント通過によるアク抜けにより、前日の500円安に対する自律反発狙いの動きが意識されそうだ。SOX指数は小幅に下落しているものの、構成銘柄は高安まちまちだったこともあり、ショートカバーも意識されやすい。

 ただし、米国市場は買い一巡後に下落に転じるなど、FRBによる積極的な金融引き締めを織り込むポジション調整の動きが継続するなか、戻り待ち狙いのショートスタンスに向いやすい。

 また、日経225先物はナイトセッションで一時2万6650円まで切り返す場面も見られたが、同水準に位置する5日、25日移動平均線に上値を抑えられる形状だった。同線に接近する局面では、ショートポジションが積み上がりやすいだろう。一方で、昨日の大幅な下落によって支持線となるテクニカルポイントが消失したため、心理的には節目の2万6000円が意識されてくる可能性がありそうだ。また、2万5000円~2万6000円水準は累積出来高の薄い価格帯になる。戻りの鈍さが警戒されてくるようだと、2万6000円割れを狙った売り仕掛け的な動きも入りやすいだろう。

 VIX指数は24.26と小幅に低下した。25日、75日線水準での攻防ではあるが、一時25.38まで上昇する場面も見られており、投資家心理を神経質にさせそうだ。なお、NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下し、25日線水準まで下げてきた。いったんはNTショートの巻き戻しが入りやすい半面、もう一段の低下を見せてくるようだと3月安値の13.85倍を意識したNTショートに向かいやすく、方向性を見極めたいところだろう。

株探ニュース

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