株価指数先物【寄り前コメント】 売り先行も、市場参加者は限られるなか、次第に底堅さが意識されよう

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 26920 -270 (-0.99%)
TOPIX先物 1894.5 -14.5 (-0.75%)
シカゴ日経平均先物 26915 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 14日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。買い先行で始まると、ゴールドマン・サックス・グループの予想を上回る決算などが材料視され、NYダウの上昇幅は一時300ドルを超す場面があった。しかし、ニューヨーク連銀総裁が0.5%の利上げに関して「妥当な選択肢」との見解を示したことが伝わると、長期金利が上昇。金融引き締めペースの加速による金利の先高観が改めて意識されるなか、ハイテク株主導で下げに転じた。また、グッドフライデーの祝日を控えた持ち高調整の売りも重荷となった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、エネルギー、運輸が上昇する一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比275円安の2万6915円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万7170円で始まり、その後は2万7110円~2万7180円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、一時2万7310円まで急伸する場面も見られた。ただし、買い一巡後は戻り売りに押されて軟化すると、終盤にかけて2万6900円まで売られ、2万6920円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。米国市場ではNYダウが75日移動平均線までのリバウンドを経て下落に転じたほか、ナスダックは前日の上昇部分を帳消しにするなど、自律反発の域は脱せなかった。グッドフライデーで3連休となるためポジション調整の動きもあったと見られるが、東京市場でも海外勢の商いが細るため、前日までのリバウンドに対する一巡感は意識されやすいだろう。

 日経225先物は5日線が2万6830円辺りに位置していることから同線を支持線とした底堅さを見極めることになり、25日線が位置する2万6990円水準でのこう着感の強い相場展開が見込まれる。直近のリバウンドに対するショートが見られそうだが、市場参加者は限られることから、その後のショートカバーも速そうだ。また、直近のリバウンド局面でも裁定に絡んだ商いが中心だったため、ポジションはロングに傾いている状況ではないと考えられる。売りが先行しても次第に底堅さは意識されるだろう。

 また、VIX指数は22.70に上昇しているものの、切り下がる25日線に上値を抑えられる形状であることから、リスクオフムードは高まらないだろう。NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇し、75日線を上回ってきた。ナスダックの下落を受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが重荷となる可能性はあるが、昨夕決算を発表したファーストリテイリング <9983> [東証P]は米国預託証券(ADR)市場で3%近く上昇しており、日経平均型の下支えとして機能することが考えられる。そのため、NT倍率はそれほど低下せず、75日線をサポートとしたNTロングの動きに向かいやすい。

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