株価指数先物【引け後コメント】 週明けの米株安を警戒、ナイトセッションで75日線水準での底堅さを見せてくるか注目

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限
日経225先物 26840 -1010 (-3.62%)
TOPIX先物 1889.0 -53.0 (-2.72%)

 日経225先物(9月限)は、前日比1010円安の2万6840円で取引を終了。寄り付きは2万7200円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万7325円)を大きく下回るギャップダウンで始まった。寄り付き直後につけた2万7220円を高値に下落幅を広げると、前場半ばには2万6950円まで売られた。その後は2万7000円水準でこう着。前引けのTOPIXの下落率が2%を超えたことで、後場の日銀によるETF買い入れの思惑が高まり、ランチタイムでは2万7090円まで下げ渋る動きを見せた。

 ただし、グローベックスの米株先物市場では、NYダウ先物が400ドル超、ナスダック100先物は2%を超える下落で推移していたことにより、週明けの米国市場への警戒感が重荷となった。そのため、日銀のETF買い入れを意識しつつもリバウンドの動きは見られず、後場は概ね2万7000円を下回って推移。引けにかけて下落幅を広げ、2万6840円と本日の安値で取引を終えた。

 米消費者物価指数(CPI)の結果を受けた10日の米国市場の下落影響については、シカゴ先物にサヤ寄せする格好で朝方に織り込まれ、2万7000円水準での底堅さが意識される局面も期待されていた。しかし、前場半ばには2万7000円および同水準に位置していた25日移動平均線をあっさり割り込んだ。さらに引けにかけての下落幅拡大で75日線水準に接近しており、ナイトセッションで75日線水準をサポートとした底堅さを見せてくるかが注目されそうだ。

 NYダウ先物の下落幅は日本時間午後5時時点で500ドルを超えてきており、3万1000ドルを割り込んで推移。ナスダック100先物も1万1550ポイント辺りで推移しており、5月安値に接近している。二点底形成といった形で下げ渋りを見せてくるようであれば、日経225先物についても75日線水準からのリバウンドが期待されやすい。ただし、米国市場の不透明感が強まる局面では、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などへのショートが強まりやすく、2万7000円を抵抗ラインとして、2万6500円辺りとのレンジ推移も意識されてきそうだ。

 NT倍率は先物中心限月で一時14.18倍まで低下する場面が見られ、25日線割れから75日線水準まで調整してきた。5月半ば以降に支持線として機能していた75日線までの低下によって、いったんはNTショートの巻き戻しから、NTロングに転換するかを見極めたいところである。

 手口面では、みずほが3870枚、野村が1340枚、クレディスイスが790枚、ゴールドマンが690枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが5640枚、日産が660枚程度の買い越しだった。みずほ、野村はヘッジ対応の動きと見られ、クレディスイスはCTAによるショートの動きのようである。一方で、ABNアムロは裁定解消(先物買い・現物売り)の動きと見られる。TOPIX先物はJPモルガンが2620枚、みずほが2280枚程度の売り越しに対して、大和が2840枚程度の買い越しだった。大和は日銀のETF買い入れに伴う動きと見られる。

株探ニュース

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