「メジャーSQ週でロール中心ながら、ボリンジャーの-2σ水準で底入れを意識した動きも」 今週の日経225先物は、外部環境の影響を受けやすい状況は続くが、売られ過ぎとの見方が強まりやすい水準までの調整によって、底堅さが意識されてくる可能性はありそうだ。また、先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控え、週を通じて限月交代に伴うロールオーバーが商いの中心になりやすく、積極的にトレンドを取りに行くトレードは限られそうである。 2日発表の8月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比31万5000人増加と予想を上回った一方で、失業率は3.7%で半年ぶりの高水準となるなど、強弱まちまちの結果だった。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速させる内容ではないとの見方を背景に、朝方の米国市場では直近の下げに対する買い戻しが先行した。ただし、金融引き締めの長期化が景気を冷やすといった見方は根強く、買い一巡後は売り優勢となるなか、レイバーデー(労働の日)の3連休を控えることもあって、午後にはポジション調整から下落に転じた。 また、ロシアの国営天然ガス会社ガスプロムが、オイル漏れがみつかった欧州向け天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」は問題が解消されるまで供給再開を行わないと発表。欧州景気への懸念が高まったことも重荷となった。これにより、NYダウは75日移動平均線まで戻した後に下げに転じており、ナスダックも一時75日線を上回ったものの、結局は戻り売りに押されて6営業日続落となった。 シカゴ日経平均先物は一時2万9000円まで買われたが、その後は2万7460円まで売られ、2万7515円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは2万7540円で終えており、週明けはこれにサヤ寄せする格好から、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などにインデックスに絡んだ売りが集中しそうだ。オプション権利行使価格の2万7500円水準が下値支持線となるものの、75日線を試す可能性もあるため、権利行使価格2万7375円にレンジを切り下げてくる動きを想定しておきたい。 また、週初は米国が休場となり、海外投資家のフローは限られるため、売り一巡後は底堅さが意識されそうだ。権利行使価格2万7375円まで下げてくるようだと、75日線のほか、ボリンジャーバンドの-2σ水準までの調整となるため、いったんは売られ過ぎとのセンチメントが台頭しよう。年初以降、ボリンジャーバンドの+2σ水準に上値を抑えられる一方で、-2σをブレイクした時点で、いったんは底入れの動きを見せてきたため、今回も-2σを捉えてくる局面では、調整一巡感が意識されやすいとみられる。 もっとも、今週はメジャーSQ週であり、積極的にトレンドを取りに行く流れにはなりづらい期間に入る。そのため、短期的にはSQ通過後のリバウンドを睨んだNTロングに向かいやすいだろう。先週のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。前日までの調整で14.24倍まで下げており、支持線として意識されていた75日線を下回る場面があった。ボリンジャーバンドの-2σまでの調整を経てリバウンドを見せており、25日線が位置する14.41倍辺りまでの切り返しを意識しておきたい。 そのほか、VIX指数は25.47に低下した。終値は75日線水準ではあるものの、一時23.19まで低下する場面も見られた。米国市場では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは神経質な展開が見込まれるが、3回連続での0.75%利上げは織り込まれてきているため、次第にリバウンドのタイミングを探る動きに向かいそうである。 8月第4週(8月22日-26日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりに売り越しており、売り越し額は3757億円(前週は4040億円の買い越し)だった。なお、現物は1212億円の売り越し(同222億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は2544億円の売り越し(同4263億円の買い越し)と6週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で3237億円の買い越しで、8週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で121億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。 経済スケジュールでは、5日に中国8月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)、ユーロ圏7月小売売上高、6日に7月全世帯家計調査、米国8月ISM非製造業景況指数、7日に7月景気動向指数、中国8月貿易収支、米国7月貿易収支、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、8日に4-6月期GDP改定値、8月景気ウオッチャー調査、欧州中央銀行(ECB)政策金利、パウエルFRB議長発言、9日に中国8月消費者物価指数(CPI)、米国7月卸売売上高などが予定されている。8日のECB理事会やパウエルFRB議長発言などを受けた金利の動向には注意が必要であろう。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12 06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38 07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16 08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/09 09月02日 27620 27820 27550 27660 +30 22/09 09月01日 28070 28080 27580 27630 -490 22/09 08月31日 28250 28340 27850 28120 -80 22/09 08月30日 27930 28220 27880 28200 +290 22/09 08月29日 28650 28740 27760 27910 -700 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/09 09月02日 1933.0 1942.0 1920.0 1927.0 -7.5 22/09 09月01日 1959.5 1961.0 1932.5 1934.5 -27.5 22/09 08月31日 1971.5 1979.0 1946.5 1962.0 -5.0 22/09 08月30日 1947.0 1970.5 1943.5 1967.0 +22.5 22/09 08月29日 1979.0 1985.0 1932.0 1944.5 -32.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 09月02日(09月限) 27515 -145 09月01日(09月限) 27785 +155 08月31日(09月限) 27855 -265 08月30日(09月限) 27925 -275 08月29日(09月限) 28035 +125 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 08月26日 2652億円 -69億円 1兆4126億円 -490億円 08月19日 2722億円 +30億円 1兆4617億円 +1369億円 08月12日 2691億円 -121億円 1兆3248億円 +3743億円 08月05日 2813億円 -71億円 9504億円 +160億円 07月29日 2884億円 -734億円 9344億円 -149億円 07月22日 3619億円 -646億円 9493億円 +1825億円 07月15日 4266億円 -965億円 7668億円 -1430億円 07月08日 5231億円 +463億円 9098億円 +2426億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 08月31日 5806万株 +8万株 4億1228万株 -989万株 08月30日 5798万株 0株 4億2217万株 -345万株 08月29日 5798万株 -562万株 4億2562万株 -3513万株 08月26日 6360万株 -0.4万株 4億6075万株 +39万株 08月25日 6360万株 -102万株 4億6036万株 +290万株 08月24日 6463万株 +2万株 4億5745万株 -1275万株 08月23日 6460万株 +0.8万株 4億7020万株 -1653万株 08月22日 6459万株 0株 4億8674万株 +691万株 08月19日 6459万株 -270万株 4億7983万株 -0.1万株 08月18日 6730万株 -1万株 4億7983万株 -816万株 08月17日 6731万株 +121万株 4億8799万株 +2196万株 08月16日 6610万株 -197万株 4億6602万株 +942万株 08月15日 6807万株 +557万株 4億5660万株 +1407万株 08月12日 6250万株 -169万株 4億4252万株 +1億0541万株 08月10日 6419万株 +160万株 3億3711万株 +636万株 08月09日 6258万株 -401万株 3億3074万株 -151万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 5月19日 701億円 6月13日 701億円 6月17日 701億円 株探ニュース
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