●インデックス・レビュー ◇S&P 500指数 S&P500指数は8月に4.24%下落して3955.00で月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス4.08%)。7月は4130.29で終え9.11%の上昇(同プラス9.22%)、6月は3785.38で終え8.39%の下落(同マイナス8.25%)でした。過去3ヵ月では4.29%下落(同マイナス3.88%)、年初来では17.02%下落(同マイナス16.14%)、過去1年間では12.55%下落(同マイナス11.23%)、2022年1月3日の最高値からは17.55%下落(同マイナス16.68%)、6月16日の直近安値からは7.86%上昇(同プラス8.21%)、コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは16.80%上昇(同プラス21.61%)して月を終えました。 S&P500指数の8月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は7月の2.68%から1.28%に下落しました(6月は2.03%)。年初来では1.85%(7月は1.94%)、2021年は0.97%、2020年は1.73%、2019年は0.85%でした。2018年は1.21%、2017年は0.51%(1962年以来の最低)でした。8月は23営業日中17日で日中の変動率が1%以上となり(7月は20営業日中18日)、3%以上の変動があった日が1日ありました(7月はありませんでした)。年初来では1%以上の変動が146日、2%以上の変動が61日、3%以上の変動が14日、4%以上の変動が3日でした。2021年は1%以上の変動が93日、3%以上の変動が3日でした。2020年はそれぞれ158日と34日、2019年はそれぞれ73日と1日、危機に見舞われた2008年はそれぞれ228日(253営業日中)と75日でした。 8月の出来高は、前月比18%減少した7月の後、横ばい(営業日数調整後)、前年同月比では18%増加し、過去1年間では16%減少しました。8月に前日比で1%以上変動した日数は23営業日中8日(上昇が4日、下落が4日)、2%以上変動した日数は3日(上昇が1日、下落が2日)でした。7月は1%以上変動した日数は20営業日中9日(上昇が7日、下落が2日)、2%以上変動した日数は2日(2日ともに上昇)でした。 年初来では、1%以上変動した日数は80日(上昇が39日、下落が41日)、2%以上変動した日数は31日(上昇が15日、下落が16日)となりました。2021年は、前日比で1%以上変動した日数は55日(上昇が34日、下落が21日)、2%以上変動した日数は7日(上昇が2日、下落が5日)となりました。2020年は1%以上変動した日数が109日(上昇が64日、下落が45日)、2019年は1%以上変動した日数が37日(上昇が22日、下落が15日)でした。 8月は、7月のトレンドが大きく反転し、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回りました。8月の値上がり銘柄数は132銘柄(平均上昇率は4.01%)で、7月の443銘柄(同10.44%)から減少しました(6月は57銘柄で同2.65%)。10%以上上昇した銘柄は8銘柄(同16.43%)で、7月の217銘柄(同15.61%)から減少しましたが、6月の1銘柄(同11.39%)からは増加しました。25%以上上昇した銘柄はありませんでした(7月は15銘柄で31.61%、6月はゼロ)。 一方、8月の値下がり銘柄数は369銘柄(平均下落率は6.32%)で、7月の60銘柄(同4.19%)から増加しました(6月は446銘柄で同11.03%)。8月は、10%以上下落した銘柄が71銘柄(同13.51%)と、7月の4銘柄(同15.93%)から増加しました(6月は225銘柄で同16.15%)。25%以上下落した銘柄数はゼロでした(7月もゼロ、6月は17銘柄で同29.95%)。 過去3ヵ月間では値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差は拡大し、引き続き値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。値上がり銘柄数は136銘柄(平均上昇率は7.21%)と、7月末の240銘柄(同7.90%)から減少し、値下がり銘柄数は367銘柄(平均下落率は10.00%)と、7月末の263銘柄(同9.01%)から増加しました。10%以上値上がりした銘柄数は35銘柄(平均上昇率は16.73%)で、7月末の68銘柄(16.84%)を下回りました。10%以上値下がりしたのは166銘柄(平均下落率は16.40%)、7月末は87銘柄(同18.10%)でした。過去3ヵ月間で25%以上上昇した銘柄数は5銘柄(7月末時点は6銘柄)、20銘柄(同13銘柄)が25%以上下落しました。 年初来では、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差は拡大しました。値上がり銘柄数は116銘柄(平均上昇率は17.29%)と、7月末の129銘柄(同15.19%)から減少した一方、値下がり銘柄数は385銘柄(平均下落率は26.47%)と、7月末の373銘柄(同19.00%)から増加しました。10%以上上昇した銘柄数は56銘柄(平均上昇率は31.04%)と、7月末の62銘柄(同25.87%)を下回りました。10%以上下落した銘柄数は309銘柄(平均下落率は26.47%)で、7月末は280銘柄(同23.68%)でした。年初来で26銘柄(7月末は24銘柄)が25%以上上昇し、156銘柄(同109銘柄)が25%以上下落しました。 2021年通年では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数は434銘柄(平均上昇率は34.30%)、値下がり銘柄数は70銘柄(平均下落率は12.01%)でした。10%以上上昇した銘柄数は367銘柄(平均上昇率は39.77%)、10%以上値下がりした銘柄数は36銘柄(平均下落率は19.27%)でした。259銘柄が25%以上上昇し、7銘柄が25%以上下落しました。 ◇世界の株式市場:S&Pグローバル総合指数 インフレが制御されたことを中央銀行が確信するまで、利上げが続くであろうとの現実が広く認識される中、グローバル株式市場は8月に下落しました。S&Pグローバル総合指数は7月の6.89%上昇(米国の9.28%上昇を除くと、3.57%上昇)の後に、8月は3.63%下落し、米国の3.94%下落を除くと3.19%下落しました(6月は8.74%の広範囲にわたる下落で、米国の8.54%下落を除くと9.02%の下落、5月は0.20%の下落で、米国の0.36%下落を除くと0.04%の上昇、4月は8.11%の下落で、米国の9.09%下落を除くと6.70%下落、3月は1.70%の上昇で、米国の3.11%上昇を除くと、0.25%の下落)。 過去3ヵ月間では、世界の株式市場は6.00%下落し(7月末時点は2.64%下落)、米国の3.98%下落(同0.41%下落)を除くと8.78%の下落(同5.73%下落)、年初来では18.96%の下落で(同15.90%下落)、米国の17.98%下落(同14.62%下落)を除くと20.34%の下落(同17.72%下落)、過去1年間では18.02%の下落で(同12.93%下落)、米国の14.85%下落(同8.94%下落)を除くと22.24%下落しました(同18.20%下落)。 より長期では、米国のパフォーマンスが突出していました。過去2年間では、グローバル市場は5.09%上昇しましたが、米国の12.02%上昇を除くと3.65%の下落でした。過去3年間でもグローバル市場は19.01%上昇しましたが、米国の33.29%上昇を除くと2.73%の上昇でした。2020年11月3日の米大統領選挙以降では、グローバル市場は7.69%上昇しましたが、米国の15.43%上昇を除くと2.00%の下落でした。 S&Pグローバル総合指数の時価総額は8月に2兆5520億ドル減少しました(7月は4兆4160億ドル増)。米国以外の市場の時価総額は9130億ドル減少し(同9590億ドル増)、米国市場の時価総額は1兆6390億ドル減少しました(同3兆4560億ドル増)。 8月は11セクター中1セクターのみが上昇し、セクター間のリターンのばらつきは縮小しました(7月は11セクターすべてが上昇、6月は上昇したセクターはゼロ)。8月のパフォーマンスが最高のセクター(エネルギー、1.74%上昇)と最低のセクター(不動産、5.64%下落)の騰落率の差は7.38%となり、7月の9.79%、6月の11.89%から縮小しました。年初来のパフォーマンスの最高セクター(エネルギー、22.65%上昇)と最低のセクター(コミュニケーションサービス、29.10%下落)の差は51.75%と7月末時点の46.95%から拡大しました。 新興国市場は1月の0.98%下落(2021年12月は1.41%上昇)、2月の3.49%下落、3月の2.55%下落、4月の5.63%下落、5月の0.31%下落、6月の5.80%下落、7月の1.05%下落の後に、8月は1.02%の上昇と、7ヵ月連続での下落の後に上昇に転じました。年初来では17.51%下落しています。過去1年間では21.41%の下落となり、過去2年間では6.45%下落、過去3年間では2.89%上昇しています。8月は24市場のうち12市場が上昇しました(7月は17市場、6月は5.58%上昇した中国の1市場のみ)。トルコのパフォーマンスが最高で8月に19.44%上昇し、年初来では22.94%上昇、過去1年間では4.08%下落しています。2番目はパキスタンで8月は14.16%上昇し、年初来では26.14%下落、過去1年間では36.21%下落しました。3番目はタイで8月は4.87%上昇し、年初来では8.25%下落、過去1年間では10.20%の下落でした。ポーランドのパフォーマンスが最低となり、8月は11.36%下落し、年初来では41.22%下落、過去1年間では44.90%下落しました。これに続いたのがチェコ共和国で8月は8.75%下落し、年初来では13.34%下落、過去1年間では1.27%下落しました。3番目はコロンビアで8月は7.36%下落し、年初来では15.27%下落、過去1年間では1.27%下落しました。 先進国市場は広範囲にわたって下落し、3月の2.21%上昇、4月の8.39%下落、5月の0.18%下落、6月の9.09%の下落、7月の7.88%の広範囲にわたる上昇(2月は2.25%下落、1月は5.82%下落、2021年12月は4.08%上昇)、8月は全体で4.16%下落しました。先進国市場は米国を除くと、3月の0.54%上昇、4月の7.06%下落、5月の0.16%上昇、6月の10.11%下落、7月の5.23%上昇の後に(2月は1.51%下落、1月は5.38%下落、2021年12月は4.73%上昇)、8月は4.61%下落しました。 先進国市場は、年初来では19.13%下落、米国を除くと21.30%下落、過去1年間では17.60%下落、米国を除くと22.54%の下落となりました。過去2年間では6.63%上昇、米国を除くと2.67%下落、過去3年間では21.20%上昇、米国を除くと2.69%の上昇となりました。 8月は25市場中1市場のみが上昇、7月の23市場を下回りました(6月は1市場(香港、1.11%上昇)のみが上昇、5月は14市場が上昇)。パフォーマンスが最も良かったのはイスラエル(唯一上昇した市場)で8月は4.98%の上昇で、年初来では15.84%下落、過去1年間では10.12%の下落でした。2番目はオーストラリアで、8月は0.78%下落、年初来では12.14%下落、過去1年間では13.19%下落しました。3番目はニュージーランドで8月は1.59%下落、年初来では24.07%下落、過去1年間では28.71%下落しました。パフォーマンスが最低だったのはスウェーデンで8月は10.81%下落し、年初来では37.80%下落、過去1年間では38.70%下落しました。これに続いたのがオランダで8月は9.92%下落し、年初来では33.24%下落、過去1年間では36.22%下落しました。3番目はベルギーで8月は8.01%下落し、年初来では27.55%下落、過去1年間では29.65%下落しました。 注目すべき点として、日本は8月に2.40%下落し、年初来では18.34%下落、過去1年間では21.03%下落しました。カナダは8月に3.95%下落、年初来では12.39%の下落、過去1年間では9.75%の下落となりました。ドイツは8月に6.62%下落、年初来では33.75%の下落、過去1年間では37.39%の下落となりました。英国は8月に6.94%下落し、年初来では17.28%下落、過去1年間では16.63%下落しました。 [執筆者] ハワード・シルバーブラット S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス シニア・インデックス・アナリスト ※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。 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