●主なポイント ○S&P500指数は、8月中旬までは7月(9.11%上昇)の上昇トレンドが持続し(6月は8.39%下落、2022年上半期は20.58%下落)、一時は7月末から4.72%高、6月16日の安値からは取引時間中に一時18.83%高の水準まで上昇しました。 しかし、勢いは続かず、FRBによる利上げや個人消費の冷え込みの深さに対する懸念が市場の重石となりました。9セクターが上昇した7月と対照的に、8月は9セクターが下落しました。8月は値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回り、値上がり銘柄数は132銘柄(このうち8銘柄が10%以上上昇)、値下がり銘柄数は369銘柄(このうち71銘柄が10%以上下落)でした。年初来でも同様で、値上がり銘柄数は116銘柄(このうち34銘柄が20%以上上昇)、値下がり銘柄数は385銘柄(このうち213銘柄が20%以上下落)です。9セクターが年初来で下落しており、最も上昇率が大きいのはエネルギーの44.72%上昇、最も下落率が大きいのはコミュニケーション・サービスの31.04%下落となっています。 ○これまでに492社(時価総額で98.7%に相当)が2022年第2四半期決算の発表を終え、369銘柄(75.0%)で営業利益が予想を上回り、100銘柄が予想を下回り、23銘柄は予想通りでした。売上高は491銘柄中349銘柄(71.1%)で予想を上回りました。 2022年第2四半期の営業利益は、前期比で4.8%減、前年同期比では9.8%減となる見通しですが、これにはバークシャー・ハサウェイの669億ドルの「含み損」(ほとんどがキャッシュフローを伴わないもので、1株当たり4.74ドルのマイナス要因となっています)も含まれています。バークシャー・ハサウェイを除くと、第2四半期営業利益は前期比4.8%増、前年同期比0.7%減が見込まれます。売上高は、前期比2.3%増、前年同期比12.2%増が見込まれ、過去最高を更新する見通しです。 ○S&P500指数の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)の8月の平均値は1.28%となり、7月の1.68%から低下しました(6月は2.03%)。年初来では平均1.85%(7月末時点では1.94%)となりました。2021年は0.97%、2020年は1.73%、2019年は0.85%、2018年は1.21%、2017年は0.51%(1962年以降で最低)でした。 ○S&P500指数は8月に4.24%下落して3955.00で月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス4.08%)。7月は4130.29で終えて9.11%の上昇(同プラス9.22%)、6月は3785.38で終えて8.39%の下落(同マイナス8.25%)でした。過去3ヵ月では4.29%の下落(同マイナス3.88%)、年初来では17.2%の下落(同マイナス16.14%)となっています。 ○バイデン大統領が勝利した2020年11月3日の米大統領選挙以降では、同指数は17.39%上昇(同プラス20.68%)して月を終えました。 ○同指数に関する主な騰落率:2022年1月3日に付けた終値での最高値から17.55%下落(同マイナス16.68%)、6月16日に付けた直近の安値からは7.86%上昇(同プラス8.21%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは16.80%上昇(同プラス21.61%)しています。 ●利回り、金利、コモディティ ○米国10年国債利回りは7月末の2.85%から3.17%に上昇して月末を迎えました(2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は 2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは7月末の3.12%から3.28%に上昇して取引を終えました(同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。 ○英ポンドは7月末の1ポンド=1.2140ドルから1.1621ドルに下落し(同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは7月末の1ユーロ=1.0266ドルから1.0052ドルに下落しました(同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は7月末の1ドル=133.46円から138.98円に下落し(同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は7月末の1ドル=6.7442元から6.8904元に下落しました(同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。 ○ユーロは対ドルでパリティを割り込みました。1999年にEU加盟国のうち11ヵ国が導入してスタートした単一通貨ユーロの取引初日の対ドルレートは1ユーロ=1.17ドルでした。最安値は2000年の同0.83ドル、最高値は2008年の同1.60ドルで、2022年8月末の対ドルレートは1.0052ドルでした。 ○8月末の原油価格は、7月末の1バレル=98.43ドルから同88.87ドルに下落し(今年に入ってから一時同130.50ドルまで上昇)、年初来の上昇率は17.9%(2021年末は同75.40ドル)となりました。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は年初来で16.7%上昇しました(8月末は1ガロン=3.938ドル、7月末は同4.440ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は83.5%上昇し(2020年末は同48.42ドル)、ガソリン価格は69.0%上昇しました(2020年末は同2.330ドル)。 ○EIAは2021年のガソリン価格の内訳について、53.6%が原油、16.4%が連邦税および州税、15.6%が販売・マーケティング費、そして14.4%が精製コストと利益だと説明しています。 ○金価格は7月末の1トロイオンス=1780.60ドルから下落して1722.40ドルで月の取引を終えました(2021年末は1829.80ドル、2020年末は1901.60ドル、2019年末は1520.00ドル、2018年末は1284.70ドル、2017年末は1305.00ドル)。 ○VIX恐怖指数は7月末の21.33から25.87に上昇して月を終えました。月中の最高は27.69、最低は19.12でした(2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12、2017年末は11.05)。 ⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。 ⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。 ※「現実を突き付けたジャクソンホール演説 (3)」へ続く 株探ニュース
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