株価指数先物【引け後コメント】 米CPI発表後の買い戻しは一巡、米決算反応で新たなロングの動きを見極め

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限
日経225先物 27050 +830 (+3.16%)
TOPIX先物 1892.0 +46.5 (+2.51%)

 日経225先物(12月限)は前日比830円高の2万7050円で取引を終了。寄り付きは2万6820円と、シカゴ日経平均先物(2万6790円)にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートとなった。ナイトセッションでの大幅上昇の反動もあり、2万6720円まで上げ幅を縮める場面もあったが、前場半ば辺りから上げ幅を広げ、節目の2万7000円を突破。ショートカバーの動きが強まり、後場の取引開始直後には2万7180円まで買われる場面が見られた。終盤にかけては売り買いが交錯するなか2万7100円を挟んでこう着し、2万7050円で取引を終えた。

 日経225先物は2万7180円まで買われ、2万7250円辺りで推移する75日移動平均線に迫る場面も見られたが、週末とあって積極的にロングを仕掛けてくる動きは限られていた。米国市場が大幅に上昇したとはいえ、買い戻しが中心でありテクニカル的な要因もあるだろう。CPI(消費者物価指数)の結果を受けて、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げは確実となり、12月のFOMCでも0.75%の利上げを織り込むなか、買い戻しが一巡した後は引き続き神経質な展開となりそうだ。

 東京市場も買い戻し中心であり、底入れからの反転を期待する参加者は限られていそうだ。本日の大幅な上昇も、先高期待からロングに傾いている需給状況とは考えづらいが、2万7000円近辺で底固めとなれば、改めて75日線や10月6日につけた戻り高値2万7400円を捉えてくる可能性はあるだろう。

 また、週間形状では3週連続でボリンジャーバンドの-2σを割り込む場面も見られたが、-2σ割れ水準ではリバウンドの動きを継続。2万7000円辺りで強弱感が対立する可能性がある一方で、ボリンジャーバンドの-1σが位置する2万6820円辺りをキープできれば、ボトム水準からのリバウンドが意識されよう。

 14日の米国市場ではシティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなど金融大手の決算発表が予定されている。業績悪化は相当織り込まれている可能性もあり、発表で失望とならなければ押し目買い意欲も回復してくると考えられる。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。抵抗線として意識されていた25日、75日線を上回ってきた。本日は指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983> [東証P]が日経平均株価をけん引した影響は大きいだろう。反動は想定されるものの、8月につけた年初来高値に迫る可能性もあることから、NTロングでのスプレッド狙いは入りやすいだろう。

 手口面では、日経225先物はABNアムロが6000枚程度の売り越しに対して、みずほが1470枚、大和が1350枚、ドイツが1340枚、バークレイズが1100枚、BofAが1040枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はソジェンが4730枚、BNPパリバが2390枚、みずほが2270枚、ABNアムロが1630枚程度の売り越しに対して、JPモルガンが2760枚、モルガンSが2230枚、BofAが1480枚、ゴールドマンが1430枚程度の買い越しだった。

株探ニュース

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