NY時間の午後に入ってドル円は伸び悩んでいるものの、133円台前半で推移している。この日発表の2つの米雇用指標がともに底堅さ示したことでドルの買い戻しが活発化した。ドル円は一時134円台まで回復し、21日線の水準に顔合わせしたものの、明日に米雇用統計を控えていることもあり、上値を抑えられている。 インフレはピークの兆候も見せ始めているが、労働市場が底堅い場合、インフレが思ったほど鈍化せずに、FRBの引き締め政策も長期化の可能性が高まる。FRBは否定しているが、市場は早ければ今年中にもFRBは利下げに移行するとの観測が出ている。それは雇用情勢次第といった面も大きいが、少なくとも今回の数字からは、市場の期待は正当化されそうにはない。 FRBが前日発表した最新の議事録では今年の利下げを予想している委員はいなかった。しかし、市場はその見方を信じておらず、ドルは恩恵を受けていない。これは依然としてドルの見通しを支配する中心的な事柄で、重大なリスクではある。 FRBと市場の期待のかい離が続いているが、為替市場のセンチメントはいずれFRBの意図した方向に傾き、中期的には正当化されないにしても、短期的には再びドル高が活発になる可能性があるとの声も聞かれる。 USD/JPY 133.18 EUR/USD 1.0533 GBP/USD 1.1908 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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