「米重要インフレ指標や日銀人事を巡る報道により、アルゴリズムのトレードが入りやすい」 今週の日経225先物は、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒が燻るなか、同国の重要なインフレ指標などが相場の変動要因になりそうだ。また、国内では週前半で決算発表ピークを通過する。14日に政府が国会に提示する日銀正副総裁の人事案を受けた大規模緩和政策の持続性を巡る思惑がトレード要因になろう。 日銀人事については先週、政府が14日に提示するとの報道を受けて、雨宮正佳副総裁が本命視されるなか、大規模緩和政策が継続するとの見方により、円相場が1ドル=131円後半と円安に振れ、先物市場でも買い材料となった。しかし、その後、元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めたと報じられた。 植田氏は積極的なハト派とはみられておらず、現在の大規模緩和策が見直されるとの思惑が浮上し、ドル円は一時1ドル=129円台まで円高に振れ、日経225先物はナイトセッションで一時2万7430円まで売られる場面も見られた。日銀人事に絡んだ報道によりアルゴリズムのトレードは入りやすく、為替市場や先物市場の変動幅が大きくなる可能性がある点には注意する必要があろう。 ただし、日経225先物は売り一巡後に早い段階で2万7500円を回復しており、引き続き2万7500円処での底堅さはみられる可能性がある。また、75日移動平均線が支持線として機能することが期待される。短期的なトレードが中心となるなか、調整基調が強まる局面では押し目狙いのロングでの対応を想定しておきたい。一方で、直近戻り高値の2万7820円に接近する局面では上値の重さが意識された。この水準を捉えてくるようだと、オプション権利行使価格の2万7875円および2万8000円が射程に入り、ショートカバーが強まる可能性も高まろう。 また、米国では14日に1月の消費者物価指数(CPI)、15日に1月の小売売上高、2月のニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に2月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、1月の卸売物価指数(PPI)など重要指標の発表が予定されている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が7日のインタビューで「ディスインフレのプロセスが始まっている」との認識を改めて示したことが材料視されたが、強い1月の雇用統計を受けてFRB高官らによるタカ派発言が相次ぐなか、神経質な状況が続くことになりそうだ。 先週末のVIX指数は20.53だった、9日に上値抵抗線の25日線を突破し、終値では1月19日以来の20.00を回復した。10日は小幅に低下したものの、一時21.94まで上昇し、75日線を上回る場面もあった。昨年11月以降、75日線が抵抗線として機能していることもあり、21.68辺りに位置する75日線を明確に上放れてくると、慎重姿勢に向かわせやすい。 先週のNT倍率は先物中心限月で13.92倍だった。週初に一時14.03倍まで上昇し75日線に接近する場面も見られたが、その後はNTロングを巻き戻す動きにより、9日には一時13.85倍と25日線水準まで低下した。日経225先物は2万7500円を中心としたレンジで推移する可能性は高そうだが、米国の指標を受けた長期金利の動向次第では、NTスプレッド狙いのトレードが入りそうだ。 2月第1週(1月30日-2月3日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週連続で買い越しており、買い越し越し額は2426億円(1月第4週は1兆3231億円の買い越し)だった。なお、現物は67億円の売り越し(同3037億円の買い越し)と4週ぶりの売り越しであり、先物は2493億円の買い越し(同1兆193億円の買い越し)と3週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で182億円の買い越しで、4週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1739億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。 経済スケジュールでは14日に10-12月期実質国内総生産(GDP)、12月鉱工業生産(確報値)、米国1月消費者物価指数、15日に1月訪日外客数、米国1月小売売上高、米国2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国1月鉱工業生産、16日に12月機械受注、1月貿易統計、米国1月住宅着工件数、米国2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国1月卸売物価指数、17日に米国1月輸出入物価指数、米国1月コンファレンス・ボード景気先行指数が予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12 06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38 07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16 08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05 09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76 10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58 11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52 12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27 01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71 02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/03 02月10日 27580 27790 27500 27650 +120 22/03 02月09日 27580 27610 27360 27530 -70 22/03 02月08日 27600 27670 27360 27600 0 22/03 02月07日 27660 27790 27530 27600 -80 22/03 02月06日 27480 27820 27400 27680 +190 22/03 02月03日 27400 27600 27350 27490 +100 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/03 02月10日 1982.5 1999.5 1975.5 1985.5 +5.5 22/03 02月09日 1982.0 1987.5 1970.0 1980.0 -3.0 22/03 02月08日 1979.0 1990.5 1967.5 1983.0 +3.5 22/03 02月07日 1977.5 1989.5 1970.0 1979.5 0.0 22/03 02月06日 1967.5 1989.0 1964.5 1979.5 +11.5 22/03 02月03日 1965.0 1974.0 1956.0 1968.0 +2.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 02月10日(3月限) 27585 -65 02月09日(3月限) 27540 +10 02月08日(3月限) 27395 -205 02月07日(3月限) 27660 +60 02月06日(3月限) 27685 +5 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 02月03日 2342億円 -1159億円 3983億円 -513億円 01月27日 3501億円 -2018億円 4496億円 +334億円 01月20日 5519億円 -410億円 4162億円 +700億円 01月13日 5930億円 +368億円 3462億円 -42億円 01月06日 5561億円 +572億円 3504億円 -406億円 12月30日 4989億円 +391億円 3911億円 +177億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 02月08日 2709万株 -2409万株 1億3893万株 -2041万株 02月07日 5118万株 +198万株 1億5934万株 +518万株 02月06日 4920万株 -1766万株 1億5416万株 +1435万株 02月03日 6687万株 -1320万株 1億3981万株 -1843万株 02月02日 8007万株 -1210万株 1億5824万株 -249万株 02月01日 9217万株 -71万株 1億6074万株 +500万株 01月31日 9288万株 -910万株 1億5573万株 +318万株 01月30日 1億0199万株 -481万株 1億5255万株 -142万株 01月27日 1億0681万株 -2021万株 1億5397万株 +306万株 01月26日 1億2702万株 -2191万株 1億5091万株 -357万株 01月25日 1億4893万株 -1064万株 1億5448万株 -86万株 01月24日 1億5958万株 -1600万株 1億5534万株 +493万株 01月23日 1億7558万株 -2091万株 1億5041万株 +780万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 5月19日 701億円 6月13日 701億円 6月17日 701億円 12月2日 701億円 株探ニュース
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