株価指数先物【引け後コメント】 TSMC下落がショート誘発も、結局はこれまでのレンジ内でのリバランスが中心

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪3月限
日経225先物 27440 -180 (-0.65%)
TOPIX先物 1983.5 -10.0 (-0.50%)

 日経225先物(3月限)は前日比180円安の2万7440円で取引を終了。寄り付きは2万7730円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万7745円)にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。ただし、寄り付きを高値に軟化すると、前場中盤にはマイナスに転じた。その後も売り優勢の流れは続き、現物の後場取引開始直後には一時2万7420円まで下落する場面が見られた。売り一巡後はこう着感の強い相場展開となり、後場は2万7440円~2万7490円辺りの非常に狭いレンジでの推移だった。

 日経225先物は、エヌビディアなど米半導体株の強い流れを受けた上昇が期待されたが、TSMCが時間外取引で下落したことが、センチメントを冷ました。著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハサウェイが、保有するTSMC株を9割近く減らしたことが明らかになった、とのメディア報道が下げのきっかけになった。日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行したことで、ショート筋にとっては絶好のタイミングとなったようだ。

 日経225先物は、前日の安値水準で取引を終えるなど、これまでのレンジ内での推移を継続している。日経225先物は2万7500円を挟んだ値動きを見せているものの、5日移動平均線やボリンジャーバンドの+1σを再び下回ってくるなど、オプション権利行使価格の2万7500円を中心とした上下の権利行使価格である2万7250円~2万7750円の中での短期的なリバランスの動きが継続しているようである。積極的にポジションを傾ける動きは限られており、ややトレンドが強まる局面では、その後のリバランスを狙ったトレードに向かいそうだ。

 グローベックスの主要な米株先物はマイナス圏で推移しており、TSMCの下落により前日に強い値動きを見せた半導体株では、持ち高調整が意識されよう。米国市場の弱い値動きが見込まれるなか、ナイトセッションでは短期的なショートが入りやすいだろう。ただし、2万7500円を挟んだレンジ推移のなかでは、その後のリバランスを狙ったロング対応となろう。

 NT倍率は先物中心限月で13.83倍に低下した。25日線水準での攻防であり、指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]が下げに転じる局面でも、NTショートを仕掛けてくる動きは限定的だった。

 手口面では、日経225先物は野村が1600枚、ドイツが580枚、みずほが570枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1340枚、SBIが700枚、バークレイズが520枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はJPモルガンが2820枚、みずほが1600枚、ドイツが460枚程度の売り越しに対して、ソジェンが2080枚、BNPパリバが860枚、ゴールドマンが700枚、BofAが580枚程度の売り越しだった。

株探ニュース

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