NY時間の午後に入って米株式市場は伸び悩む動きが見られ、ダウ平均は序盤の上げを失っている。金融不安が後退しているほか、市場ではFRBの年内の利下げ期待も出ている中、市場のムードは改善している。 ただ、午後になって大手銀株が下げに転じていることが圧迫している模様。特に悪材料は見当たらないものの、前日に、相次ぐ銀行破綻で230億ドル近いコストを抱えた米連邦預金保険公社(FDIC)が、その負担の分担で大手行の割合を通常より高くする方向で検討していると伝わっていた。FDICは5月に緊急の業界査定を行うことを提案する計画を明らかにしている。米議会からは、中小銀行に負担をかけぬよう政治的な圧力が強まっている。 米当局は今回の銀行問題で、信用基準をさらに厳格化する可能性も高まっており、バイデン大統領はトランプ政権が緩和した銀行規制の復活を当局に要請したとも伝わっている。 また、イエレン財務長官は本日の講演で、2008年の金融危機後に実施した規制強化の一部を緩和したことについて、その行き過ぎが最近の銀行危機につながった可能性があるとの見解を示していた。 目先の金融不安は後退しているものの、規制強化によって、銀行にとっては今後、収益が圧迫される可能性もあり、積極的には買戻しを入れにくい状況があるのかもしれない。 (NY時間13:40) JPモルガン<JPM> 127.98(-1.16 -0.90%) シティグループ<C> 45.82(-0.13 -0.28%) バンカメ<BAC> 28.16(-0.52 -1.80%) ウェルズ・ファーゴ<WFC> 37.26(-0.71 -1.88%) ゴールドマン<GS> 320.19(-0.53 -0.17%) モルガン・スタンレー<MS> 85.60(-0.64 -0.74%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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