今週の日経225先物は年初来高値の更新を意識しつつ、週後半にかけて需給要因を警戒する相場展開が見込まれる。6月30日の米国市場は、米連邦準備理事会(FRB)が重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したことでインフレ懸念が和らぎ、主要な株価指数が上昇。シカゴ日経平均先物は、日中大阪比245円高の3万3435円だった。 先週は26日に3万2330円まで売られたが、同水準に位置する25日移動平均線が支持線として機能する形でリバウンド機運が高まり、29日には3万3520円まで買われた。四半期末に伴うリバランス売りの影響で積極的なロングは限られたものの、ボリンジャーバンドの+1σ水準での底堅さも見られていた。 +1σは3万3440円辺りで推移しており、30日の取引終了後のナイトセッションで同水準を捉えてきており、3万4280円辺りに位置する+2σとのレンジへの移行が意識されてくる。19日に付けた年初来高値3万3950円が射程に入ってくることから、週末および翌週に控えた需給イベントを睨んだショート筋が、カバーの動きを速めてくる可能性もありそうだ。 一方で、その需給イベントだが、7月7日、10日にNEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 <1321> [東証E]などパッシブ型ETFの決算を控えている。決算日に分配金捻出のための売り需要が観測されており、これを睨んだ先回り的なショートが入っていると考えられる。先週は四半期末に伴うリバランス売りの影響が見られたが、今週も週末以降の需給イベントによる影響が警戒されやすく、膠着感が強まるようだと、25日線水準までの調整も意識しておく必要があるだろう。 また、今週は4日が独立記念日の祝日で米国市場は休場となるほか、5日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、6日に6月のISM非製造業景況指数、7日に6月の雇用統計の発表が予定されている。11会合ぶりに利上げを見送った6月FOMCの議事要旨が公表されることから、今後の利上げ再開の可能性を見極めたいとするムードが強まりやすく、想定はされているものの追加利上げ観測が高まる局面では、積極的な売買は手控えられそうだ。 週末は国内の需給イベントに加えて、米国での重要な経済イベントを控えて動きづらい一方で、ショートカバーなどリバランスに伴う動きによってトレンドが出やすい場面もあろう。そのため、ボリンジャーバンドの+1σ水準での攻防となりそうだが、レンジとしては25日線と+2σ水準が意識されやすく、オプション権利行使価格の3万2600円~3万4250円と広めのレンジを想定する。 恐怖指数と呼ばれる30日のVIX指数は13.59に上昇した。一時12.96まで下げており、22日に付けた12.73に接近する場面も見られた。米国市場は金融引き締め長期化への警戒感が根強いものの、依然としてボトム圏での推移である。今後の上昇(相場下落)を狙ったショートポジションは積み上がっていると考えられ、リスク選好に向かわせやすいと考えられる。 先週のNT倍率は先物中心限月で14.51倍だった。25日に14.38倍まで低下する場面も見られたが、ボリンジャーバンドの-2σまでの調整を経て、その後の上昇により中心値(25日)水準を捉えている。ただし、バンドが収斂するなかで、週末は-2σと中心値とのレンジで推移しており、トレンドが出やすいタイミングでもある。30日の米国市場ではアップルの時価総額が3兆ドルを超えるなか、日経平均型優位の流れからNTロングに向かわせやすい面がありそうだ。なお、NT倍率の-3σは14.33倍、+3σは14.69倍に位置している。 6月第3週(6月19日-23日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で売り越しており、売り越し額は3069億円(6月第2週は210億円の売り越し)だった。なお、現物は3604億円の売り越し(同6414億円の買い越し)と13週ぶりの売り越しであり、先物は535億円の買い越し(同6625億円の売り越し)と2週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で3900億円の買い越しで、3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で2390億円売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。 経済スケジュールでは、3日に日銀短観、中国6月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国6月ISM製造業景況指数、5日に中国6月財新サービス部門PMI、米国5月製造業新規受注、FOMC(6月13~14日開催分)議事要旨、6日に米国6月ADP雇用統計、米5月貿易収支、米国6月ISM非製造業PMI 、7日に5月景気動向指数、米国6月雇用統計、ラガルドECB総裁講演などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16 08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05 09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76 10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58 11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52 12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27 01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71 02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19 03月限 日経225 28377.34 TOPIX 2047.32 04月限 日経225 28519.43 TOPIX 2019.76 05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33 06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 23/09 06月30日 33180 33290 32900 33190 +10 23/09 06月29日 33160 33520 33050 33180 +40 23/09 06月28日 32550 33140 32440 33140 +570 23/09 06月27日 32550 32680 32250 32570 -80 23/09 06月26日 32690 32870 32330 32650 -20 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 23/09 06月30日 2291.0 2297.0 2273.5 2287.0 -4.0 23/09 06月29日 2297.0 2312.0 2288.5 2291.0 -4.0 23/09 06月28日 2252.5 2295.5 2247.0 2295.0 +42.0 23/09 06月27日 2249.0 2260.5 2234.5 2253.0 -2.0 23/09 06月26日 2260.0 2269.5 2237.5 2255.0 -4.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日大阪比 06月30日(9月限) 33435 +245 06月29日(9月限) 33180 ±0 06月28日(9月限) 33240 +100 06月27日(9月限) 32800 +230 06月26日(9月限) 32575 -75 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 06月23日 732億円 -235億円 1兆5123億円 +1345億円 06月16日 967億円 -915億円 1兆3778億円 +324億円 06月09日 1883億円 +331億円 1兆3453億円 +73億円 06月02日 1551億円 +444億円 1兆3379億円 +1433億円 05月26日 1107億円 +204億円 1兆1946億円 +768億円 05月19日 902億円 -31億円 1兆1177億円 +1491億円 05月12日 934億円 -2480億円 9686億円 -511億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 06月28日 1904万株 +315万株 5億4640万株 +2342万株 06月27日 1589万株 +43万株 5億2297万株 -118万株 06月26日 1545万株 -30万株 5億2416万株 -229万株 06月23日 1576万株 0万株 5億2646万株 +585万株 06月22日 1576万株 0万株 5億2061万株 -70万株 06月21日 1576万株 +34万株 5億2131万株 +907万株 06月20日 1542万株 -196万株 5億1224万株 +1791万株 06月19日 1739万株 -438万株 4億9432万株 +1679万株 06月16日 2177万株 -1440万株 4億7753万株 +669万株 06月15日 3618万株 +235万株 4億7084万株 +27万株 06月14日 3383万株 +506万株 4億7057万株 +1412万株 06月13日 2876万株 +124万株 4億5644万株 -598万株 06月12日 2751万株 -1368万株 4億6242万株 -1046万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 5月19日 701億円 6月13日 701億円 6月17日 701億円 12月2日 701億円 【2023年】 3月13日 701億円 3月14日 701億円 株探ニュース
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