携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が下落。前日引け後に4-6月期決算(第3四半期)を発表し、売上高は予想を下回ったものの、1株利益は予想を上回った。QTC、携帯など全般的に予想を下回っている。第4四半期のガイダンスも公表し、予想を下回る売上高見通しを示した。携帯の需要が低迷していることを示唆した。 同社は、2024年度の上半期に追加的なコスト削減策を実施する予定だとしている。マクロ環境と中国の回復鈍化を反映した。今年の携帯は前年比で1桁台後半以上の減少を見込んでおり、第4四半期のガイダンスにはマクロ環境の逆風、世界的な携帯端末台数の減少、チャネル在庫の取り崩しによる継続的な影響が含まれるとも述べた。同社は中国での販売が全体の64%程度を占めるが、中国での需要が予測されたレベルに戻っていないという。 チップの在庫はより正常な水準に近づいているが、消費者が新しい携帯電話への購買意欲を示すようになるまでは、成長は見込めないとも述べている。 今回の決算を受けて投資判断を「中立」に引き下げたアナリストもいる。「苦境にある携帯電話事業の回復は遅れるだろう。今回の投資判断引き下げは10-12月期(24年度第1四半期)前後に対する経営陣の軟調なコメントと来年の逆風を反映した」と述べている。 また、「クアルコムの携帯電話端末事業への逆風が長期化することは、単なる循環的問題ではなく、構造的な問題を提起する」とも語っている。 (4-6月・第3四半期) ・1株利益(調整後):1.87ドル(予想:1.81ドル) ・売上高:84.4億ドル(予想:85.1億ドル) QCT:71.7億ドル(予想:72.1億ドル) 携帯:52.6億ドル(予想:54.8億ドル) QTL:12.3億ドル(予想:12.7億ドル) オートモーティブ:4.34億ドル(予想:4.48億ドル) IoT:14.9億ドル(予想:14.8億ドル) ・営業利益:25.2億ドル(予想:25.6億ドル) (7-9月・第4四半期見通し) ・1株利益(調整後):1.80~2.00ドル(予想:1.94ドル) ・売上高:81~89億ドル(予想:87.9億ドル) QCT:69~75億ドル(予想:77.8億ドル) QTL:11.5~13.5億ドル(予想:13.5億ドル) (NY時間09:39) クアルコム<QCOM> 117.14(-12.13 -9.38%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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