明日は7月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数(NFP)は20万人前後の増加がコンセンサス予想となっており、これまでよりは増加幅の鈍化が見込まれている。それでも20万人はこれまでの基準値でもあり、FRBが人口増加と整合的と見積もっている雇用者数の約2倍ではある。 高技能サービス業(特に医療サービス、社会補助、専門・ビジネスサービス)が雇用増加をけん引し、低技能サービス業(特にレジャー・接客業、その他サービス業)も引き続き雇用を増やすと見られているようだ。 失業率は前回と変わらずの3.6%が見込まれている。過去最低水準が維持され、労働市場のひっ迫を示すことが予想されている。大手企業からは大量の人員削減が伝わっているものの、中堅企業はなお人材確保の意向が強く、相殺されると見られている。 これまでよりは労働需要は軟化しており、供給もやや増加している。そのため、平均時給の伸びは若干の鈍化が見込まれているようだ。それでも前年比で4%を超える水準となっており、粘り強いインフレの可能性を示唆する内容はある。 予想通りであれば、9月は未知数だが、年内にあと1回の追加利上げは正当化するものと思われる。ただ、短期金融市場では年内利上げ期待を後退させている状況ではある。 水曜日に発表されたADP雇用統計が予想外に強かったことで、明日の米雇用統計も強い内容になるのではとの期待も出ている。しかし、これまでの経験則から、必ずしも両指標が傾向を一致させるとは限らない。 *米雇用統計(7月)4日21:30 非農業部門雇用者数 予想 19.9万人 前回 20.9万人 失業率 予想 3.6% 前回 3.6% 平均時給 予想 0.3% 前回 0.4%(前月比) 予想 4.3% 前回 4.4%(前年比) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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