【これからの見通し】原油高、米債利回り上昇などドル高支援材料多いが、相場が独り歩きの面も

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】原油高、米債利回り上昇などドル高支援材料多いが、相場が独り歩きの面も

 今週はドル高の流れが続いている。ドル円は149円台後半まで一時上昇し、150円の節目水準をうかがっている。ユーロドルは一時1.04台に下落、ポンドドルも1.21台割れに接近している。

 ドル相場が全面高となる背景はいろいろと指摘されている。米FOMCで年内あと1回の追加利上げが示唆され、来年の金利水準見通しが引き上げられた。米国では主要自動車メーカーの賃上げストライキが実施されるなど、賃金圧力がインフレにも影響。外部要因としては原油高の進行が再びエネルギー価格高騰につながることが警戒されている。さらに、短期的には米債務上限問題が再燃しており、米国債売り(利回り上昇)圧力につながる面も指摘されている。インフレや高金利長期化観測が株式市場を圧迫しており、リスク警戒のドル買いとなる面も指摘される。

 やや相場が独り歩きしている感もあって、経済指標に対する反応はドル買いに傾きやすい面がある点に注意しつつ、結果反応をチェックする必要がありそうだ。このあとに発表される経済指標は、ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)(9月)ユーロ圏景況感(9月)南アフリカ生産者物価指数(8月)ドイツ消費者物価指数(速報)(9月)米実質GDP(確報値)(2023年 第2四半期)米新規失業保険申請件数(09/17 - 09/23)米中古住宅販売成約指数(8月) など。

 ドイツ消費者物価指数は前年比+4.6%と予想されており、前回の+6.1%からは大幅に減速する見込み。ただ、本日すでに発表されている独ノルトライン・ウェストファーレン州の結果が前年比+4.2%と前回の+5.9%から大幅減速となったが、ユーロ相場は反応薄だった。ヘッドライン・インフレの伸び鈍化は1年前の伸びが高水準だったことによるものとみられており、市場は織り込み済みとなっているようだ。

 発言イベント関連では、グールズビー・シカゴ連銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、グリーン英中銀委員、デコス・スペイン中銀総裁、クックFRB理事、パウエルFRB議長などのイベント参加が予定されている。パウエルFRB議長に関しては、教育関係者を招いたタウンホールミーティングに参加とのことで、金融政策の本題からは離れた内容となる可能性もある。その他には、ECB経済報告の公表、米7年債入札(370億ドル)が実施される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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