[11月6日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 10 月限 10 月 30 日〜 11 月 2 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,596 9,743 ( 1) 9,517 (30) 9,595 +1 銀 111.8 113.0 ( 1) 111.2 ( 2) 112.2 +0.4 プラチナ 4,344 4,504 ( 1) 4,286 (30) 4,434 +90 パラジウム 5,400 5,400 ( 2) 5,400 ( 2) 5,400 0 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 1 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 1,987.5 -11.0 | ドル・円 150.42 0.27 円安 銀 (12) 2,279.0 -9.7 | 日経平均 31,949.89 +958.20 プラチナ ( 1) 930.4 +24.6 | NY原油 (12) 80.44 -5.10 パラジウム (12) 1,114.20 -16.00 |* ドル・円は 15時15分現在、原油は 1日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは中国の景気刺激策とドル高でもみ合い、とした。 プラチナは金堅調を受けて買い戻し主導で上値を伸ばしたが、中国やユーロ圏の景気 減速懸念などを受けて上げ一服となった。現物相場は9月20日以来の高値 942.10ドルを付けた。プラチナ先限は8月31日以来の高値4504円を付け た。一方、パラジウムの現物相場は10月16日以来の高値1155.50ドルを付け たのち、上げ一服となった。 中国の景気刺激策がまとまったことやイスラエルのガザ侵攻による金堅調が支援要因 になった。ニューヨーク市場で大口投機家の取組が2022年9月以来の売り越しとな るなか、週明けに買い戻されて急伸した。ただ中国やユーロ圏の景気減速懸念が上値を 抑える要因である。10月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)が49.5とな り、前月の50.2から低下した。事前予想の50.2から予想外に低下し、節目とな る50を割り込んだ。財新製造業PMIも49.5と前月の50.6から低下した。事 前予想は50.9。大型連休の影響で一部工場の生産が滞ったことが指摘されたが、今 後発表される経済指標で見通しを確認したい。香港高等法院(高裁)は30日、中国不 動産大手の恒大集団を巡る清算申し立て審理を12月4日に延期した。同社は再編計画 を打ち出せなければ清算に直面することになる。不動産危機に対する懸念が残ることも 中国の回復を遅らせる要因である。また第3四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP) 速報値は前期比0.1%減、前年比0.1%増となった。事前予想の前期比0.0%、 前年比0.2%増を下回った。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連 銀総裁は、ユーロ圏のインフレはここ1年で大幅に鈍化したが、まだ克服していないた め、ECBは十分な高金利を長期にわたり維持する必要があると述べた。ECBの金融 政策の見通しと他の経済指標も確認したい。 米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 を5.25〜5.50%で据え置いた。決定は全会一致で、2会合連続での利上げ見送 りとなった。声明で「経済活動は第3四半期に力強いペースで拡大した」とした。ただ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、FRBがインフレ率を2%に回帰させる にはまだ長い道のりがあるとし、一段利上げを正当化しうる経済データと労働需要の耐 性に言及した。金融情勢は明らかに引き締まっているとも指摘し、多くのリスクを挙げ た。市場では、利上げのハードルはより高くなっていることを示唆していると指摘さ れ、12月も金利据え置きとの見方が強い。一方、米財務省は四半期の国債入札規模を 増額させると発表した。ただ規模は1120憶ドルとなり、予想の1140憶ドルを下 回った。米国債の利回りが低下しており、ドル安に振れると、プラチナの下支えにな る。 【南アのプラチナETF残高が減少】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、30日のロンドンで12.99トン (前週末12.99トン)、1日のニューヨークで30.21トン(同30.21ト ン)と変わらず、31日の南アで11.57トン(同11.72トン)に減少した。ま たパラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.32トン(同3.33トン)に減 少、ニューヨークで5.72トン(同5.72トン)、南アで0.27トン(同 0.27トン)と変わらずとなった。南アのプラチナETF残高が減少した。中国の景 気刺激策やニューヨーク市場の大口投機家の売り越しを受けて買い戻し主導で上昇した が、景気の先行き懸念が残り、戻り場面で投資資金が流出した。一方、米商品先物取引 委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月24日時点のニューヨーク・プラ チナの大口投機家の取組は480枚売り越し(前週349枚買い越し)に転じ、パラジ ウムの売り越しは1万1240枚(同1万1495枚)に縮小した。 【中東情勢の行方と各市場の反応を確認】 イスラエルのガザ侵攻が開始された。ネタニヤフ首相は10月28日、3週間にわた る戦争が第2段階に入ったとした。またイスラエル国民に「長く厳しい」戦いになると の見通しを示した。バイデン米大統領は29日、同首相と電話会談し、民間人保護や人 道支援の即時拡大を求めた。米政権はイスラエルへの全面支持を公表しつつ、水面下で は難しい要求を伝達し、ガザ攻撃抑制で一定の成果と伝えられた。ハマスは数日中に外 国人の人質を解放するとした。ガザから外国人と負傷者がエジプトに退避した。イラン に動きが見られず、紛争拡大は抑制されているが、イスラエルのハマス排除に変わりは なく、リスク回避の動きが出ると、プラチナの圧迫要因になるとみられる。 当面の予定(イベント・経済統計) 6日 金融政策決定会合議事要旨公表 9月21-22日分(日本銀行) 独製造業受注 2023年9月(経済技術省) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2023年10月確報(Markit) ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2023年10月確報(Markit) 7日 全世帯家計調査・消費支出 2023年9月(総務省) 貿易収支 2023年10月(税関総署) キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行) 独鉱工業生産指数 2023年9月(経済技術省) ユーロ圏生産者物価指数 2023年9月(EUROSTAT) 米貿易収支 2023年9月(商務省) 8日 独消費者物価指数 2023年10月確報(連邦統計庁) ユーロ圏小売売上高 2023年9月(EUROSTAT) 米卸売在庫 2023年9月確報値(商務省) 9日 国際収支(経常収支) 2023年9月(財務省) 中国消費者物価指数 2023年10月(国家統計局) 中国生産者物価指数 2023年10月(国家統計局) 米新規失業保険申請件数(労働省) 10日 英国内総生産 速報値 2023年7-9月期(国立統計局) 英貿易収支 2023年9月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2023年9月(国立統計局) 米消費者信頼感指数 2023年11月速報値(ミシガン大) 米財政収支 2023年10月(財務省) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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