貴金属は、金が急落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安と円高を受けて売 り優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はニューヨーク高を受けて堅調となろ う。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は0.82ドル高の 2027.90ドル、銀が1セント安の2379セント、プラチナが18.50ドル高 の907.20ドル、パラジウムは28.87ドル高の973.00ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=144.14/16円で、前営業日の 大引け時点から2.41円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が9380円前後、銀は112.0円前後、プラチナは 4180円前後、パラジウムは4600円前後。 【NY金は手じまい売りが圧迫】 金はきのうの海外市場では、米新規失業保険申請件数で労働市場の緩やかな減速が示 されたが、手じまい売りが出たことが圧迫要因になった。 金は手じまい売りが圧迫要因になった。米新規失業保険申請件数は1000件増の 22万件と労働市場の緩やかな減速を示した。ただ市場予想の22万2000件を下回 った。また国際的な再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによ ると、米国に拠点を置く企業が11月に発表した人員削減は前月比24%増の4万 5510人だった。前年同月比は41%減った。一方、金融大手ゴールドマン・サック スのエコノミストは、欧州中央銀行(ECB)が2024年4月から毎回の会合で 0.25%ポイントの利下げを実施し、政策金利が2025年初めまでに現在の4%か ら2.25%まで低下すると予想した。 植田和男日銀総裁は参議院財政金融委員会で、マイナス金利解除で政策金利をゼロ% にするかプラス圏の金利にするか、どの程度のスピードで利上げしていくかは「その時 の経済・金融情勢次第」と述べた。日銀が早期に金融政策を修正するという観測を受け て円相場は一時1ドル=141円台の円高に振れた。 銀はきのうの海外市場では、金の上げ一服を受けて戻りを売られた。 【NYプラチナはドル安が支援】 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安を受けて買い優勢となった。 プラチナはドル安が支援要因になった。米新規失業保険申請件数の増加で労働市場の 緩やかな減速が示されたことを受けてドル安に振れた。一方、11月の中国の貿易統計 によると、輸出は前年比0.5%増加と6カ月ぶりに増加に転じたが、輸入は0.6% 減少となった。ただ輸出業者の値下げに支えられたものと指摘されており、先行き不透 明感が残っている。 <今日の予定> ・全世帯家計調査・消費支出 2023年10月(総務省) ・国内総生産 2023年7-9月期2次速報 (内閣府) ・国際収支(経常収支) 2023年10月(財務省) ・独消費者物価指数 2023年11月確報(連邦統計庁) ・米雇用統計 2023年11月(労働省) ・米消費者信頼感指数 2023年12月速報値(ミシガン大) ・建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行
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