[今日の視点]貴金属=総じて下落、NY安を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて下落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優
勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安を受けて軟調と
なろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は16.73ドル安
の1981.20ドル、銀が22セント安の2281セント、プラチナが7.15ドル
安の911.35ドル、パラジウムは21.65ドル高の960.50ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=146.15/17円で、前営業日の
大引け時点から0.52円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が9311円前後、銀は109.5円前後、プラチナは
4270円前後、パラジウムは4600円前後。
【NY金は米FRBの利上げ観測後退が圧迫】
 金はきのうの海外市場では、米国債の利回り上昇などを受けて売り優勢となった。
 金は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測後退などが圧迫要因になった。米雇用
統計で労働市場の堅調が示されたことを受けて利上げ観測が後退し、週明けに米国債の
利回りが上昇した。ただ11月の米ニューヨーク連銀消費者調査で、ガソリン代と賃貸
料の上昇率が鈍化するとの予想を反映し、1年先のインフレ期待が約2年ぶりの低水準
となると、利回り上昇が一服した。1年先のインフレ期待は3.4%と、前月の3.6
%から低下し、2021年4月以来の低水準となった。今夜は11月の米消費者物価指
数(CPI)の発表がある。
 国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は、ウクライナでの紛争と米中
間の緊張を踏まえると、世界経済の分断化と基調的な二国間貿易の明らかな変化が「新
たな冷戦」を引き起こす可能性があると警告した。レモンド米商務長官は、バイデン政
権は人工知能(AI)用半導体の中国への販売容認について米半導体大手エヌビディア
と協議中だが、中国企業に最先端の半導体を販売することはできないと強調した。
 銀はきのうの海外市場では、米国債の利回り上昇や金軟調を受けて売り優勢となっ
た。
【NYプラチナは米国債の利回り上昇で戻りを売られる】
 プラチナはきのうの海外市場では、米国債の利回り上昇を受けて戻りを売られた。
 プラチナは米国債の利回り上昇が圧迫要因になった。米連邦準備理事会(FRB)の
利上げ観測後退を受けて米国債の利回りが上昇した。中国の消費者物価指数の低下で高
値での買いが見送られたことも上値を抑える要因になった。ただ米ニューヨーク連銀消
費者調査でインフレ期待が低下すると、米国債の利回り上昇は一服した。今夜は11月
の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
<今日の予定>
・企業物価指数 2023年11月(日本銀行)
・英雇用統計 2023年11月(国立統計局)
・独景況感指数 2023年12月(ZEW)
・米消費者物価指数 2023年11月(労働省)
・米財政収支 2023年11月(財務省)
・米連邦公開市場委員会(FRB、13日まで)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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