【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における12月 12日時点の大口投機家の売り越しは230万3218枚となり、前週の269万 9167枚から縮小した。取組高合計は4339万7593枚となり、前週から37万 8414枚(0.88%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が14.5%増、債 券合計が微増、為替合計が4.9%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 3.2%減、エネルギー合計は1.9%増、金属合計は2.8%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、堅調な米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が後退 したが、米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ見通しが示されると、来年3月の 利下げ確率が高まった。ただニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、金利を3月にも 引き下げることを考え始めるのは早過ぎると述べた。今週は日銀金融政策決定会合があ る。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が8万1131枚売り越し(前週10万 4956枚売り越し)、ユーロは14万7327枚買い越し(同15万2360枚買い 越し)、英ポンドは2万1581枚買い越し(同1万1665枚買い越し)となった。 ユーロは手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油は6月28日以来の安値67.71ドルを付けたのち、米連邦公 開市場委員会(FOMC)で利下げ見通しが示されたことを受けて反発した。貴金属市 場では、金が11月20日以来の安値1973.25ドルを付けたのち、米連邦公開市 場委員会(FOMC)で利下げ見通しが示されたことを受けて急反発した。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が15万1599枚買い越し(前 週16万8990枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は18万8233枚買い越し(同20万3544枚買い越し)に縮小、ニューヨ ーク・プラチナは7709枚買い越し(同5133枚買い越し)に拡大した。金は手じ まい売り、新規売りが出て、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが10万1215枚売り越し(前週11万 0439枚売り越し)、大豆は1万7539枚買い越し(同2万0298枚買い越し) に縮小した。コーンは買い戻しが手じまい売りを上回り、大豆は手じまい売りが買い戻 しを上回った。前週のコーンは、軟調となったが、小麦高をきっかけに反発した。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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