<金> NY金2月限は今月22日にそれまでのもちあい圏を上抜いた後は上昇に弾みがつい て27日には2093.10ドルと終値ベースでの過去最高値を更新した。翌28日に は反落したが、2070ドル台半ばを保つなど下値が堅い足取りとなっている。 米国での2024年初頭での利下げ着手観測が手掛かりとなり上値を探る展開となっ ているが、これに加え、米財政悪化に対する警戒感やウクライナとロシアの武力衝突に 加えたパレスチナ情勢の悪化が安全資産を求める動きを活発化させている。 また、米財政悪化によるドルへの信認の低下は中央銀行による金購入の動きを活発化 させていることも金の買い支援要因。 SPDRの金ETF残高は2月限が1990ドル台前半まで値を落とした今月12日 に875トン台まで縮小したが、その後は金価格の上昇にもかかわらず増加傾向を維持 し27日には880トン台を回復している。 米国の経済指標にはまだ強気を示す内容が見受けられ、連邦準備理事会(FRB)の 金融政策も利上げは打ち止めとなっても利下げ着手までには時間を要する可能性がある 点には注意が必要だが、利下げ着手を織り込みながらも買い支援要因が目立つ環境にあ るだけに、NY金は引き続き堅調な足取りを維持し、再び過去最高値更新を目指す可能 性も出てきている。 <銀> NY銀3月限は今月14日以降、2400セント台での高下が続いている。NY金が 終値ベースで過去最高値を更新するなど、強気な足取りを維持しているにもかかわらず 伸び悩んでいる。 安全資産としての役割の弱さが反映された形で、これに米景気見通しの不安感が加わ り上値は重い。 NY金が底堅い足取りを維持すると予想されていることに下値は支えられそうだが、 逃避買い需要の細さが重石となり、同値圏での往来継続が見込まれる。 <白金> NY白金4月限は今月22日にそれまで上値抵抗線となっていた980ドルを上抜い たことで上昇への弾みが付き28日には1031ドルと6月上旬以来の水準まで上昇し ている。 NY金に比して上値を抑制される足取りが続いていたが、ようやくNY金に追随する 様相を強めた形となっている。 連騰となっているため、修正が入る可能性が高まっているが、2024年上旬には米 連邦準備理事会(FRB)は利下げに着手するとの見方が織り込まれるなか、NY金が 終値ベースで過去最高値を記録するなど強い足取りを演じていることに追随し、堅調地 合いを継続すると予想される。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は今月19日には1257ドルまで浮上し、その後1200ド ルを下値支持線とする高もみとなっていたが、26日に軟化した後は崩れに転じ28日 には1130ドル台まで軟化している。 白金の強い足取りに連動したものの、安全資産としての役割の乏しさから息切れした 形となっている。独自の新規要因に欠けることもあり、チャート面からの修正場面が続 くのでは。 MINKABU PRESS
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