CFTC大口投機資金動向(1/9時点):原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における1月9
日時点の大口投機家の売り越しは238万8015枚となり、前週の274万8317
枚から縮小した。取組高合計は4167万9836枚となり、前週から34万3182
枚(0.83%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.2%減、債券
合計が0.7%増、為替合計が0.4%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
4.2%増、エネルギー合計は1.3%増、金属合計は0.3%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で新規買い、買い
戻しが入って売り越しを縮小した。為替は買い戻しが手じまい売りを上回って買い越し
(ドル売り)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速し、予想以上となったが、米連邦
準備理事会(FRB)の利下げ見通しに変わりはなかった。今週は12月の米小売売上
高などの発表がある。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が5万5949枚売り越し(前週5万7195
枚売り越し)、ユーロは11万8877枚買い越し(同11万9476枚買い越し)、
英ポンドは2万0734枚買い越し(同1万5205枚買い越し)となった。ユーロは
手じまい売りが買い戻しを上回って買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油は米国の在庫が増加したが、イランのタンカーだ捕や米英軍のフ
ーシ派空爆を受けて堅調となった。貴金属市場では、金が予想以上の米消費者物価指数
(CPI)が圧迫要因になったが、米英軍のフーシ派空爆を受けて押し目を買われた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万9682枚買い越し(前
週16万3729枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ
ーヨーク金は18万8614枚買い越し(同20万7649枚買い越し)、ニューヨー
ク・プラチナは2万3541枚買い越し(同2万9039枚買い越し)に縮小した。金
は手じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが17万3033枚売り越し(前週14万
6728枚売り越し)、大豆は3万8049枚売り越し(同2万1928枚売り越し)
に拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規売りが
出た。前週のコーンは、米需給報告で期末在庫が2018年以来の高水準となったこと
を受けて売り優勢となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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