穀物4品見通し=コーンは引き続き低迷も南米要因で反動高となる可能性も

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<大豆>
 シカゴ大豆3月限は今月7日に1179.25セントまで値を沈めたことで売り警戒
感が強まりながらも、1200セントが抵抗線になり、低迷が続いている。
 ブラジル、アルゼンチンと南米の主要生産国からの輸出が本格化する時期を迎えてい
るが、中国の景気には不透明感が強まっているうえ、米利下げ観測が後退するなかドル
が高止まりしていることで米輸出用需要の低迷が警戒されている。米農務省(USD
A)発表の週間純輸出成約高報告では2月1日時点の累計が前年同期を19%下回って
いることが示されている。
 23/24年度の米国内需給はタイトな状態が予測されながらも、需要の低迷が重石
となろう。10日から主要需要国の中国が春節の大型連休入りすることもあり、当面
り、3月限は低迷すると予想する。
 需給報告の発表が終わり、次の注目イベントは15、16日に米国のバージニア州で
開催される「農業アウトルックフォーラム2024」となる。今年の米国産コーン、大
豆などの穀物の作付け予想面積、価格見通しが発表される。
<コーン>
 シカゴコーン3月限は米国内需給の緩和見通しを受けて一代安値を連日更新した。8
日には429.75セントまで値を落としている。
 8日発表の米農務省(USDA)月例需給報告ではわずかながら23/24年度の米
国内需給の緩和見通しが示されたうえ、昨年度は高温乾燥により大幅減産となったアル
ゼンチンの生産量回復見通しが維持された。世界的な需給緩和見通しが示されたこと
で、引き続き低迷すると予想される。
 ただ、ブラジルの23/24年度の生産量見通しが引き下げられる可能性が残されて
いる点や、ブラジル産地中部の土壌水分はサフリーニャコーンの生育には不足している
状態が続いていること、またアルゼンチンでは1月に高温乾燥に見舞われているため、
今後作柄が悪化する可能性が浮上するなど、南米の生育不安も台頭している。
 米需給緩和見通しや利下げ観測後退に伴うドル高止まりが重石となり低迷が想定され
るものの、南米要因がきっかけになっての反動高となる可能性がある点に注意しておき
たい。
<小豆>
 取組は依然としてゼロ。手出し難が続いている。
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