プラチナ週間展望=もみ合い、米利下げ観測後退も買い戻される

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [2月12日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2024 年 12 月限  2 月 5 日〜 2 月 9 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金           9,679     9,771 ( 9)    9,621 ( 6)      9,762          +89
  銀           109.0     109.0 ( 5)    106.3 ( 7)      106.3         -2.7
 プラチナ       4,321     4,356 ( 5)    4,253 ( 8)      4,309          -18
 パラジウム     4,600     4,600 ( 5)    4,400 ( 8)      4,400         -200
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         9  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 2,038.7     -15.0   | ドル・円    149.39      2.99 円安
  銀       ( 3) 2,259.4     -20.2   | 日経平均  36,897.42       +739.40
 プラチナ   ( 4)   878.2     -23.4   | NY原油 ( 3)  76.84         +4.56
 パラジウム ( 3)   869.30    -79.70  |* ドル・円は15時15分現在、原油は  9日
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【前週のレビュー】
 プラチナは買い戻しも米利下げ観測後退が上値を抑える要因、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退や中国経済の先行き懸念が
圧迫要因になったが、ドル高一服をきっかけに買い戻された。現物相場は昨年11月以
来の安値869.00ドルを付けた。プラチナ先限は1月26日の安値4253円に顔
合せした。一方、パラジウムの現物相場は2018年8月以来の安値858.50ドル
を付けた。
 1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比35万3000人増と、事前予想
の18万人増を大幅に上回った。失業率は3.7%と前月から横ばい。時間当たり平均
賃金は前月比0.6%上昇と、前月の0.4%上昇から加速し、2022年3月以来の
大幅な伸びとなった。1月の米ISM非製造業総合指数は53.4と前月の50.5か
ら上昇し、事前予想の52.0も上回った。新規受注の増加と雇用の回復で押し上げら
れた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日に放送されたCBSニュースの
番組「60ミニッツ」で、3月利下げを否定した。欧米の他の金融当局者も利下げに慎
重な見方を示した。CMEのフェドウォッチで、米FRBの3月利下げ確率は18.0
%(前週38.0%)に低下し、利下げ開始は5月との見方が強まった。
【プラチナETF残高が減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、7日のロンドンで12.12トン(前
週末12.13トン)、8日のニューヨークで31.57トン(同31.72トン)、
7日の南アで11.73トン(同11.79トン)に減少した。またパラジウムETF
の現物保有高はロンドンで3.48トン(同3.49トン)に減少、ニューヨークで
6.93トン(同6.93トン)、南アで0.39トン(同0.39トン)と変わらず
となった。プラチナETF残高が減少した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測
後退や中国経済の先行き懸念を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員
会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月30日時点のニューヨーク・プラチナの
大口投機家の買い越しは1万1549枚(前週8341枚)に拡大、パラジウムの売り
越しは1万0700枚(同1万1617枚)に縮小した。
【中国の株安対策も先行き懸念が残る】
 中国当局は空売りを規制し、銀行に資金を供給した。中国政府系ファンドはETF
(上場投信)保有を増やすとした。中国の証券取引所は一部のヘッジファンドによる株
式売却を制限した。また証券監督管理委員会(証監会)の易会満主席を更迭し、元上海
市党幹部の呉清氏を起用した。同氏は銀行業界のベテランで、2000年代半ばにトレ
ーダーに対する締め付けを主導したことから「ブローカー殺し」の異名を取り、一段と
強力な措置が講じられるとみられた。ただ習近平国家主席は2015年の急落局面で前
例のない対策を指示したが、中国恒大集団の清算命令が出ており、今回の問題はより深
刻だとみられている。中国は10日から17日まで春節となり、個人消費の行方などを
確認することになりそうだ。
当面の予定(イベント・経済統計)
12日 ●振替休日、中国・香港(春節)
    米財政収支 2024年1月(財務省)
13日 ●中国・香港(春節)
    企業物価指数 2024年1月(日本銀行)
    英雇用統計 2024年1月(国立統計局)
    独景況感指数 2024年2月(ZEW)
    米消費者物価指数 2024年1月(労働省)
14日 ●中国(春節)
    英消費者物価指数 2024年1月(国立統計局)
    ユーロ圏国内総生産 2023年10-12月期改定(EUROSTAT)
    ユーロ圏鉱工業生産 2023年12月(EUROSTAT)
15日 ●中国(春節)
    国内総生産 2023年10-12月期1次速報 (内閣府)
    英国内総生産 速報値 2023年10-12月期(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2023年12月(国立統計局)
    ユーロ圏貿易収支 2023年12月(EUROSTAT)
    米小売売上高 2024年1月(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米輸出入物価指数 2024年1月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2024年1月(FRB)
    米企業在庫 2023年12月(商務省)
    対米証券投資 2023年12月(財務省)
16日 ●中国(春節)
    英小売売上高 2024年1月(国立統計局)
    米住宅着工・許可件数 2024年1月(商務省)
    米生産者物価指数 2024年1月(労働省)
    米消費者信頼感指数 2024年2月速報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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