<金> NY金6月限は今月21日に2246.6ドルまで値を伸ばした後に修正から値を落 とし2200ドル前後で高下していたが、28日の取引で再び急伸して2256.9ド ルと一代の高値を更新。 19〜20日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)において年3回の利 下げ見通しや、短期間での高下が見られてもインフレは緩和傾向を維持するとの見方が 示されたことが金市場の買い支援要因となっている。 また、中国の経済不安を受けて安全資産を求める動きが活発化していることも、価格 を押し上げる要因となっている。 ただ、過去最高値の更新が続いたことで売り警戒感も強まっていると見られる。NY 金6月限は2200ドルを終値ベースで突破した後は、米金利やドルの推移に対する反 応が乏しいなかで上値を追っている。ファンド筋を含む大口投機家の買いに加え、過去 最高値更新時には売り方の踏み上げが入ったとも見られる。米金利引き下げ観測は買い 材料として、織り込み感が強いことから、次第に上値警戒感が強まってきそうだ。 一方で安全資産を求める中国の動きや世界的な中央銀行による金需要の底堅さは引き 続きNY金を支える要因になってくるだろう。 2月の個人消費支出(PCE)デフレーターがインフレ警戒感を高める内容にならな ければ、2200ドルを下値支持線にしての高値圏での高下が続くと予想される。 <銀> NY銀5月限は21日に2597.5セントに達しながらもその後は値位置を切り下 げる展開となった。21日移動平均が通る2444セント台まで値を落とした後は切り 返し、一時2500セントを回復した。 過去最高値を更新しているNY金の足取りを映した動きとも見られるが、安全資産を 求められる動きに支えられる金に対し、銀への逃避買い需要は乏しい。2500セント を回復したことで買いが一巡する可能性も見込まれ、もちあいへのシフトが想定され る。 <白金> NY白金7月限は19日以降、900〜930ドル前後でのもちあいが続いている。 NY金の強気な足取りに対する反応も薄い。中国景気に対する不安感が需要見通しの不 透明感を高める一方で、買いのきっかけとなる材料には乏しい状態が続いている。 2024年内の3回利下げが見込まれていることは下値支持線ながら、チャート面か らも上値の重さが窺われるため、しばらく同値圏での往来継続となりそう。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は今月18〜19日にかけて急落した後は売り一巡感が強まり 1000ドルを前後する足取りが続いている。 ただ、白金の頭の重さが上値抑制要因となっているうえ、チャート面でも19日の高 値1043ドルが上値抵抗線として意識されていることから、1040ドルに近づくと 頭押される足取りが続いている。 パラジウム独自の材料に欠ける状況からも、白金に連動してのもちあい継続の可能性 が高い。 MINKABU PRESS
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