[今日の視点]貴金属=続伸、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、続伸して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優勢とな
ろう。プラチナ系貴金属(PGM)はニューヨーク高を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は16.82ドル高
の2300.13ドル、銀が82セント高の2715セント、プラチナが11.76ド
ル高の938.26ドル、パラジウムは3.71ドル高の1017.61ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=151.60/62円で、前営業日の
大引け時点から0.01円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万1214円前後、銀は128.5円前後、プラチナ
は4525円前後、パラジウムは4990円前後。
【NY金は米ISM非製造業総合指数の低下が支援】
 金はきのうの海外市場では、米ISM非製造業総合指数の低下を受けて史上最高値を
更新した。
 金のドル建て現物相場は史上最高値2300.19ドルを付けた。3月の米ISM非
製造業総合指数は51.4と、2月の52.6から低下した。投入価格指数が4年ぶり
の低水準となった。一方、3月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数の増加数は18万
4000人と市場予想の14万8000人を上回り、昨年7月以来の高水準となった。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米連邦準備理事会(FRB)による利下
げは年内1回のみにすべきとの自身の見解を維持し、FRBは年末まで利下げ開始を先
送りすべきと述べた。パウエル米FRB議長は、経済の強さと最近のインフレの高さ
を踏まえると、FRBには初の利下げについて検討する時間があると改めて述べた。
 3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、
市場の横ばい予想に反して前月の2.6%から鈍化した。コアインフレ率は前月の
3.1%から2.9%に低下。予想の3.0%を下回った。欧州中央銀行(ECB)理
事会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ鈍化が続いているこ
とを踏まえると、ECBは6月に利下げを開始する可能性があると述べた。
 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となり、2021年6
月以来の高値27.27ドルを付けた。
【NYプラチナはドル安や金堅調が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。3月の米ISM非製造業総合指数が
低下した。ただ3月の全米雇用報告が事前予想を上回っており、労働市場に対する見方
を確認したい。
<今日の予定>
●中国、香港(清明節)
・ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年3月確報(Markit)
・ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2024年3月確報(Markit)
・ユーロ圏生産者物価指数 2024年2月(EUROSTAT)
・米貿易収支 2024年2月(商務省)
・米新規失業保険申請件数(労働省)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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