NY時間の朝方にドル円が一時155円台に上昇した。約34年ぶりの円安水準を更新。ストップを巻き込んで155.15円付近まで上昇したが、直ぐに押し戻されている。投資家のリスク許容度が改善しており、円キャリートレードを促している。 先週の日米韓財務相会合で、「通貨安を巡る日本と韓国の深刻な懸念を認識しつつ為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との共同声明を発表していた。G7財務相会合でも、為替の過度な変動は経済に悪影響を与えるとしたコミットメントを再確認。 それらを受けて市場では、155円を超えると財務省がいつ介入してもおかしくないとの警戒感が広がっている。現在は介入は観測されていないが、これまで下値を拾っていた短期筋からの利益確定売りが出ている模様。 基本的な状況に変化はなく、FRBの利下げ期待の後退からのドル買いがドル円の下値を支えている。明日から日銀決定会合が開催され、金曜日に結果が発表されるが、日銀が将来の利上げの可能性をほのめかし、円買いを誘導するといった見方も一部には出ているようだ。 ただ、日銀が細かい策を労しても、財務省が介入しても、ドル円の下落は恐らく一時になりそうだ。FRBの利下げ期待が復活しない限り、潮の流れは変わらない。前日のNY時間に指標や米国債入札などでドル円が複数回下落する場面が見られた。ただ、直ぐに買い戻され、下値での押し目買い意欲の強さが窺えた。 いずれにしろ、いまは米国のインフレが本格的に落ち着くのを待つしかないのかもしれない。FRBも本音では利下げをしたがっているとの見方も出ている。高金利をあまり長期間放置すると、景気が急速に失速する危険性があることや、金融機関および商用不動産の信用状況も気掛かりなところではある。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は155.40円に観測されている。 24日(水) 155.40 (10.5億ドル) 25日(木) 155.00 (12.8億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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