【これからの見通し】ドル円が155円を超える円安水準に、きょうは米GDP速報値がポイントに

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】ドル円が155円を超える円安水準に、きょうは米GDP速報値がポイントに

 ドル円相場は昨日のロンドン市場であっさりと155円台に乗せた。特段の経済統計などの材料に欠けるなか、もっぱら米債利回りの上昇がドル買い圧力となっていた。背景には、米金融当局の年内利下げ開始の後ずれ観測が根強くあるようだ。市場では155円が実弾介入のポイントとみられていたが、152円と同様に今回も肩透かしされた格好。米国と日本との経済状況の差異に基づいたドル円上昇とあって、為替介入の効果は一時的な時間稼ぎに過ぎないとの冷めた見方も増えてきているようだ。

 そのなかできょうから日銀決定会合が開催されている。市場では展望レポートでの物価見通し引き上げ観測が広がっている。政策金利自体は前回のマイナス金利解除のあとで、今回は据え置き予想が多い。ただ、前回からは円安状況が一段と進行しており、この点についての声明や植田総裁の言及が注目されそうだ。

 この後の海外市場では米実質GDP速報値(第1四半期)が注目される。まさしく米国のファンダメンタルズを代表する指標だ。GDPの伸びは2.5%と予想されており、前回の3.4%からは伸び鈍化となる見込み。個人消費は3.0%と前回の3.3%から伸び鈍化予想。一方、デフレータは3.0%と前回の1.6%から大きく上昇。コアデフレータも3.4%と前回の2.0%から大幅上昇となる見込みとなっている。GDPは7カ月連続のプラス成長となる見込みで、全般的には米経済の強さが示されることが想定されている。予想を上回る伸びとなれば、再びドル買い圧力が強まることに。

 その他の経済指標は香港貿易収支(3月)、南ア生産者物価指数(3月)、トルコ中銀政策金利、米卸売在庫・速報値(3月)、米新規失業保険申請件数(前週分)、米中古住宅販売成約指数(3月)などが予定されている。トルコ中銀政策金利は50.0%での据え置き予想が大勢を占めているが、ドル高進行のなかで自国通貨防衛のために利上げを実施する可能性も指摘される。

 発言イベント関連では、シュナーベルECB理事、イチッチ・クロアチア中銀総裁、ラガルドECB総裁、ナーゲル独連銀総裁、パネッタ伊中銀総裁などECB高官のイベント参加や講演が相次ぐ。6月利下げ自体は市場コンセンサスとなっているが、その後については言及を避ける可能性があり、まだ先行きは不透明な状況となっている。NY時間には米7年債入札(440億ドル)が予定されている。米株式関連ではスナップ、インテル、アルファベット、キャタピラー、マイクロソフト、Tモバイルなどの決算発表が予定されている。昨日のメタ決算を受けてIT関連株が下落するなかで、IT大手の決算内容が注目される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。