ゴム週間見通し=産地主導で軟調、10月限は290円を目指すか

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】
 活発限月の9月限(前回まで9月限)は、終値ベースで3月26日の安値313.2
円を割り込んだことから、節目の300円を目指す展開になると予想した。また、中東
情勢の緊張などから突飛高があれば、売り場になるとみた。
【10月限は下値模索か】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の10月限は、売りが優勢となった。25日の取引
では、節目の300円を割り込み、297.2円まで下落した。10月限は、この価格
帯の出来高が少ない。このため、目先、節目の295円や290円を意識しながら、下
値模索しそうだ。
 また、今回の下落場面では、産地安の影響から、期近の下落が目立っている。当限と
6番限のサヤ関係をみると、4月19日は23.9円もの逆ザヤであったが、26日に
は、逆ザヤが6円台まで縮小している。通常、当限と6番限は10円前後の順ザヤであ
る。産地は、雨季が近づいていることもあり、目先、産地主導で期近を中心に下落する
可能性がありそうだ。
【産地相場は下落】
 タイ現物価格は、ソンクラーン(水祭り)明け後、軟調な展開が続いている。タイ南
部の天然ゴム主要積み出し港のソンクラ渡しのオファー価格は3月19日に98.49
バーツまで上昇し、高値を付けた。その後、3月27日には91.05バーツまで下落
し、同水準が支持線となっていた。だが、4月18日のオファー価格は、90.15バ
ーツが提示されると、23日には87.65バーツまで下落した。その後も90バーツ
台を回復できていない。タイ南部は、5月中旬から南西風(モンスーン気候)に覆わ
れ、徐々に雨季に入っていく。このため、ゴム樹からの樹液採取量が増加しやすくな
り、天然ゴムの供給量が増える。例年通りなら、オファー価格は下落傾向を強めること
になると予想する。
【上海ゴムは底割れ】
 上海ゴムは売りが先行している。中心限月の9月限は、3月22日以降、終値ベース
で1万4500元前後が支持となっていたが、4月23日にこれを下抜くと、25日に
は節目の1万4000元も割り込み、一時1万3955元まで下落した。テクニカル的
には、売られ過ぎの面があり、目先、自律反発もあるとみる。ただ、今後、天然ゴムの
供給が増えるとみられることから、戻りは売られ、中期的には3月6日の安値1万38
00元や2月2日に付けた一代の安値1万3260元を視野に入れた展開になる可能性
があるとみる。
【東京ゴム活発限月の10月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の10月限は、下値を模索している。3月中盤から値動き
をみると、3月19日に一代の高値となる353.0円を付けたが、同水準で上値が重
くなると、一転して売りが先行し、3月28日には317.3円まで急落した。その
後、320〜320円前後でのレンジ相場となっていたが、4月12日には320円を
しっかり割り込むと、ジリジリと水準を引き下げ、25日には節目の300円を下抜
き、一時3297.2円まで下落した。
 売りが先行すれば、現状、特に目立った支持線が見当たらないことから、節目の29
5.0円や290.0円を意識した展開になる。地合いを引き締めた場合は、305円
台回復が最初の関門。同水準を上抜くと、4月22日の高値315.4円が視野に入
る。
【今週の注目ポイント】
 JPXゴムRSS3号は、産地相場に注目したい。ソンクラーン(水祭り)明けの産
地相場は、軟調な展開が続いている。今後、タイは雨季に入っていく。異常気象がなけ
れば、供給が増え、オファー価格を引き下げられる可能性がある。
【相場予想レンジ】
 4月29〜5月3日のJPXゴムRSS3号10月限の中心レンジ予想は285〜3
25円。テクニカルの支持線は295.0円(節目)、抵抗線は315.4円(4月2
2日高値)。
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