<金> NY金8月限は5月21日から23日にかけて値位置を切り下げた後は2350ドル を下値支持線にしてのもちあいが続いていたが、6月に入ってからは次第に地合いを引 き締めて浮上に転じている。 6月3日の週に発表された米経済指標には弱気な内容が目立っている。特にISM製 造業景気指数と2つの雇用指標が予想を下回ったことが利下げ着手期待を高めると同時 に米景気に対する警戒感を深め、安全資産として金を求める動きを刺激する要因になっ ている。 一方、4月30日から5月1日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)の 議事録では現在の高金利環境維持に肯定的な声が多く聞かれていたことが明らかとなっ たが、高金利環境の継続は米経済不安を高める要因になり得る。 米経済政策がNY金市場の最注目要因となるなかで利下げ着手に向けた動きが見られ ても、高金利環境の継続の可能性が高まったとしても、どちらにしても金に対する需要 が刺激される状況に変わりはない。そのためNY金8月限は2350ドルを下値支持線 にしつつ、2400ドル台を目指しての上値含みの足取りが続くと予想される。 なお、今後は7日に発表される5月の雇用統計、11〜12日の米連邦準備理事会 (FOMC)とNY金市場にとって重要なイベントが続くが、これまでインフレ高止ま りを支持してきた雇用情勢に軟化の傾向が見られるようであれば、利下げ着手期待を強 める要因になるだけにその内容が注目される。 また米国外においても中国に加え、同様に主要消費国であるインド準備銀行による金 需要の増加も伝えられている。 インドでは総選挙の結果が同国の経済政策に与える影響が警戒されるところだが、米 経済政策がNY金市場の最重要材料であることに変化はないだけに、インド要因によっ て金価格が高下する場面が見られたとしてもその動きは短命に終わることになりそう だ。 <銀> NY銀7月限は5月30日から6月4日にかけて値位置を落としていたが、2950 セントの節目まで値を落としたところでNY金の地合いが引き締まったことが手掛かり となり、6月6日の取引では大きく値を伸ばしている。 米経済指標の弱気な内容は工業用としての銀需要後退を促しかねない一方、利下げ着 手期待やこれを受けた金の堅調な足取りやドル売りの動きは銀市場にとって買い支援要 因になる。 目先の高値確認感が強いためチャート面からは上げ余地は限られていると見られる が、金の底固い動きが予想されることもあり、3000セントを下値支持線にしての 高もみ継続が見込まれる。 <白金> NY白金7月限は1000ドルの節目まで値を落としたことで売り一巡感が強まり反 発に転じているが、上げ幅は限られており上値の重さを窺わせる足取りとなっている。 白金は需給の引き締まりが予想されるなど、独自要因は強気ながら市場の反応は薄 い。米経済政策が市場の関心を集めるなか、金に比べると安全資産としての役割が薄い ことが重石になっている。 チャート面からも上値圧迫感の強さが見受けられるだけに、1030ドル前後を上値 抵抗線にしてのもちあい継続となりそうだ。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は5月末に大きく値を伸ばした後は修正から買い戻される動き が続いているが、20日間移動平均に上値を抑制されるなど、ここから先の上昇には強 い抵抗がある様子を見せている。 独自の手掛かりに乏しいなかで他貴金属市場との関連性も薄い足取りが続いているた め、上値圧迫感が強い中での小動きになるのでは。 MINKABU PRESS
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。