[9月9日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 8 月限 9 月 2 日〜 9 月 6 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 11,778 11,867 ( 3) 11,531 ( 5) 11,583 -180 銀 135.0 135.0 ( 2) 130.0 ( 4) 133.5 -4.5 プラチナ 4,418 4,433 ( 2) 4,175 ( 5) 4,279 -132 パラジウム 4,500 4,600 ( 3) 4,400 ( 5) 4,400 -100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 6 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 2,524.6 -3.0 | ドル・円 142.49 2.44 円高 銀 (12) 2,818.3 -96.0 | 日経平均 36,391.47 -2256.28 プラチナ (10) 918.7 -13.5 | NY原油 (10) 67.67 -5.88 パラジウム (12) 898.50 -64.30 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 6日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ見通しが支援要因、とした。 プラチナは景気減速懸念によるリスク回避の動きが圧迫要因になったが、米雇用指標 で労働市場の減速が示されると、押し目を買われた。現物相場は4月25日以来の高値 899.50ドルを付けたのち、押し目を買われた。プラチナ先限は8月6日以来の安 値4175円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は929.51ドルで押し目を買 われた。 7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇し、前月と変わらず となった。前月比は0.2%上昇で市場予想と一致した。一方、8月の米ISM製造業 景気指数は前月の46.8から47.2に上昇したが、節目となる50割れが続き、景 気減速懸念が高まった。雇用が若干改善したが、新規受注のさらなる減少や在庫増加か ら、製造業の活動は当面低迷が続く公算が大きいことを示唆した。7月の米雇用動態調 査(JOLTS)求人件数は23万7000件減の767万3000件と、3年半ぶり の低水準となった。市場予想の810万件を下回った。8月のADP全米雇用報告によ ると、民間部門雇用者数は9万9000人増と、3年半ぶりに低い伸びとなった。市場 予想は14万5000人増だった。8月の米ISM非製造業総合指数は51.5と前月 の51.4からほぼ横ばいだった。市場予想の51.1を上回った。ただ労働市場の軟 化に伴って雇用の伸びは鈍化した。米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米連 邦準備理事会(FRB)が高金利をこれ以上長く維持すべきではないとの見解を示し た。雇用に過度の悪影響を与える恐れがあるためという。来週は11日に8月の米消費 者物価指数(CPI)の発表がある。 8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.2%上昇と3年ぶり の低水準まで鈍化した。8月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PM I)改定値は45.8と速報値の45.6から小幅に上方修正されたが、節目となる 50を引き続き下回った。需要の減少ペースは今年最大で回復にはしばらく時間がかか る可能性があるという。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロ ー仏中銀総裁は、ECBが9月に追加利下げを実施するのが「賢明」とし、長く待ちす ぎればインフレ率が目標を下回るリスクがあると警告した。12日のECB理事会を確 認したい。カナダ銀行(BOC)は4日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ、 4.25%とした。利下げは3会合連続。マックレム総裁は、予想より弱い成長により インフレ率が急速に低下する可能性があると懸念を表明した。 【NYのプラチナETF残高が増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、4日のロンドンで21.04トン(前 週末21.08トン)に減少、5日のニューヨークで32.19トン(同32.05ト ン)に増加、4日の南アで11.21トン(同11.21トン)と変わらずとなった。 またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.17トン(同4.17トン)、ニ ューヨークで9.19トン(同9.19トン)、南アで0.33トン(同0.33ト ン)と変わらずとなった。ニューヨークのプラチナETF残高が増加し、安値拾いの買 いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月 27日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万5733枚(前週 1万4826枚)に拡大、パラジウムの売り越しは1万1860枚(同1万2265 枚)に縮小した。 【中国の不動産不況が長期化するとの懸念】 8月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1と前月の49.4から 低下し、6カ月ぶりの低水準となった。節目となる50を4カ月連続で下回った。非製 造業PMIは50.3と前月の50.2から小幅上昇した。8月の中国の財新製造業P MIは50.4と前月の49.8から上昇し、市場予想の50.0を上回った。新規受 注が好調で節目となる50を上回った。財新サービス部門PMIは51.6と前月の 52.1から低下した。製造業とサービス部門を合わせた総合PMIは51.2で前月 から変わらず。一方、不動産調査会社の中国房産信息集団(CRIC)の暫定データ で、不動産開発上位100社の契約販売総額は前年比およそ26.8%減となった。中 国の不動産不況が長期化するとの懸念が出た。中国は銀行システムの利益圧迫を緩和し つつ、数百万世帯の借り入れコストを引き下げるため、2つのステップを通じ最大5兆 3000億ドルもの住宅ローンの金利引き下げを検討している。中国経済の先行き懸念 が強いが、上海プラチナの出来高が増加し、中国勢の安値拾いの買いが入った。 当面の予定(イベント・経済統計) 9日 国内総生産 2024年4-6月期2次速報 (内閣府) 国際収支(経常収支) 2024年7月(財務省) 中国消費者物価指数 2024年8月(国家統計局) 中国生産者物価指数 2024年8月(国家統計局) 米卸売在庫 2024年7月確報値(商務省) 10日 中国貿易収支 2024年8月(税関総署) 独消費者物価指数 2024年8月確報(連邦統計庁) 英雇用統計 2024年8月(国立統計局) 11日 英貿易収支 2024年7月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2024年7月(国立統計局) 米消費者物価指数 2024年8月(労働省) 12日 企業物価指数 2024年8月(日本銀行) 理事会結果公表(ECB) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米生産者物価指数 2024年8月(労働省) 米財政収支 2024年8月(財務省) 13日 ユーロ圏鉱工業生産 2024年7月(EUROSTAT) 米輸出入物価指数 2024年8月(労働省) 米消費者信頼感指数 2024年9月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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