プラチナ週間展望=堅調、米FOMCで大幅利下げを決定

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [9月23日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  8 月限  9 月 17 日〜 9 月 20 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,692    11,972 (20)   11,631 (17)     11,912        +245
  銀           140.0     140.4 (20)    140.0 (17)      140.4        +5.9
 プラチナ       4,476     4,553 (20)    4,407 (19)      4,508         +52
 パラジウム     4,700     5,000 (18)    4,700 (17)      5,000        +300
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        20  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12) 2,646.2     +35.5   | ドル・円    142.08      1.17 円安
  銀       (12) 3,150.5     +43.1   | 日経平均  37,723.91     +1142.15
 プラチナ   (10)   981.9     -24.9   | NY原油 (10)  71.92        +3.27
 パラジウム (12) 1,078.10     +7.10  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 20日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが支援要因、とした。
 プラチナは利食い売りなどに上値を抑えられたが、米連邦公開市場委員会(FOM
C)で大幅利下げが決定されたことを受けて押し目を買われた。現物相場は米連邦準備
理事会(FRB)の大幅利下げ観測の再燃を受けて1000ドル台を回復したのち、調
整局面を迎えたが、押し目は買われた。プラチナ先限は8月22日以来の高値4553
円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は昨年12月以来の高値1121.53ドル
を付けた。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と英紙ファイナンシャル・タイム
ズ(FT)が大幅利下げを実施する選択肢は残っていると報じたことから、米連邦準備
理事会(FRB)の大幅利下げ観測が再燃した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で
はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げ、
4.75〜5.00%とした。米FOMC声明は「インフレ率が持続的に2%に向かっ
ているとの確信を強めており、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡
していると判断する」とした。同時に公表したFRB当局者による金利・経済見通しで
は年内にさらに0.50%ポイント、2025年に計1%ポイント、2026年には計
0.50%ポイントの追加利下げを見込んだ。2026年末時点の政策金利は2.9%
で中立金利に達すると予想され、前回見通しの2.8%から上昇した。米FRBの利下
げ開始が需要増加につながると、プラチナの支援要因になりそうだ。
【ロンドンのプラチナETF残高が減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、18日のロンドンで17.95トン
(前週末18.44トン)に減少、19日のニューヨークで31.61トン(同
31.61トン)、18日の南アで11.17トン(同11.17トン)と変わらずと
なった。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.08トン(同4.20ト
ン)、ニューヨークで8.75トン(同9.04トン)に減少、南アで0.27トン
(同0.27トン)と変わらずとなった。ロンドンのプラチナETF残高や欧米のパラ
ジウムETF残高が減少した。戻り場面で手じまい売りが出た。一方、米商品先物取引
委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月10日時点のニューヨーク・プラチ
ナの大口投機家の買い越しは1万0003枚(前週1388枚)に拡大、パラジウムの
売り越しは1万0988枚(同1万1633枚)に縮小した。
【中国経済の先行き懸念は上値を抑える要因】
 8月の中国の鉱工業生産は前年比4.5%増と前月の5.1%から伸びが鈍化した。
小売売上高も2.1%増と前月の2.7%から伸びが鈍化した。不動産価格の下落を受
けて景気の勢いは一段と弱まっている。第2四半期の中国の国内総生産(GDP)は前
年比4.7%増と第1四半期の5.3%増から縮小しており、第3四半期も同水準にな
ると、目標となる5%は達成できないとみられている。習近平国家主席は大規模な景気
刺激策を避けており、成長率が5%をやや下回っても容認する様子を見せている。プラ
チナ市場で中国勢は高値での買いを見送ることになりそうだ。一方、欧州自動車工業協
会(ACEA)によると、8月の欧州連合(EU26)の新車(乗用車)登録台数は前
年同月比18.3%減の64万3637台となった。前年の急増に対する反動となっ
た。ドイツで27.8%減、フランスで24.3%減、イタリアで13.4%減となっ
た。1〜8月は前年同期比1.4%増の718万0492台となった。欧州中央銀行
(ECB)のレーン専務理事兼主任エコノミストは、ECBは段階的な利下げを続ける
べきとの見解を示しており、欧州経済の行方を確認したい。
当面の予定(イベント・経済統計)
23日 ●振替休日
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年9月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年9月速報(Markit)
24日 ●南ア(文化遺産記念日)
    キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    独景況感指数 2024年9月(ifo)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2024年7月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2024年9月(カンファレンスボード)
25日 米新築住宅販売 2024年8月(商務省)
26日 金融政策決定会合議事要旨公表 7月30-31日分(日本銀行)
    政策金利公表(スイス国立銀行)
    米国内総生産 2024年4-6月期確報値(商務省)
    米耐久財受注 2024年8月速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2024年8月(全米不動産協会)
27日 中国工業利益 2024年8月(国家統計局)
    独雇用統計 2024年9月(連邦雇用庁)
    米個人所得・支出 2024年8月(商務省)
    米卸売在庫 2024年8月速報値(商務省)
    米消費者信頼感指数 2024年9月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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