【NY金は米利下げ継続観測維持もそのペースや利下げ幅に注意が必要か】 NY金12月限は10月7日に地合いを崩し9日に2622.8ドルまで値を落とす 動きを見せたものの、その後は急速に反発に転じ11日に終値で2670ドル台を回 復。その後も堅調に推移している。 9月の米雇用統計が予想を大幅に上回る強気な内容だったことを米国の大幅利下げ観 測が後退したことが売りを呼んだ。しかし9月の米消費者物価指数(CPI)が前年比 2.4%の上昇と市場予想の2.3%の上昇を小幅に上回りながらも鈍化傾向を維持し たことが利下げ観測を後押ししたことがきっかけとなって浮上。 その後も9月の米生産者物価指数(PPI)が前年比+1.8%まで鈍化したことが 明らかになったことで追加利下げ観測がさらに強まったことが金価格を押し上げる要因 になった。 CMEのFedwatchによると10月15日時点で今年12月公開市場委員会 (FOMC)後のフェデラルファンド(FF)レートを現時点の4.75〜5.00% から0.50%引き下げた4.25〜4.50%と予想している比率は86%、4.5 0〜4.75%と予想している比率は13.5%、残り0.5%は据え置きを見込んで いる。 強気な米雇用統計を受けて大幅利下げ観測が後退しながらも、年内に後2回のFOM C開催を残すなか、その2回で0.5%の引き下げを見込む向きが圧倒的多数を占めて いるものの、同時に据え置きを見込む向きも台頭するなど、今後の利下げに対する慎重 な見方も台頭している。 9月の米消費者物価指数(CPI)では総合CPIは軟化傾向を示しているが、変動 が激しいエネルギーと食料を除いたコアCPIの前年同月比は+3.3%で前月の+ 3.2%を上回っており、今後も下げ渋る可能性を残す内容となっている。 また、サービス部門はの前年同月比は前月の+4.9%から+4.7%へと低下した ものの、その主因は家賃によるもので、住居費を除いた場合のサービス部門は前月を上 回る伸びを示している。 NY金市場における強気な米雇用統計による影響は10月7日から9日にかけての下 落で織り込んだ感が強いものの、強気な雇用情勢とこれを受けた平均時給の伸びの底堅 さはインフレ率の下げ渋りを促す可能性がある。 物価は軟化傾向にあるうえ高金利環境の長期化が雇用情勢に与える影響を考慮すると FRBの金融緩和政策に変更はないと見られるが、今後の利下げのタイミングや利下げ 幅に関しては慎重な判断を強いられるのではないだろうか。 金ETF残高が15日時点で884.59トンと23年9月12日以来の水準まで膨 らむど、金ETF市場に資金が流入していることもあってNY金価格を押し上げる動き が続きそうだ。ただ強気な米雇用情勢やこれを受けたサービス部門の上昇が一段のイン フレ鈍化を阻む可能性も見受けられる。目先は米9月小売売上高が注目されるが、賃金 の上昇傾向が活発な消費を支えているようすまでも確認出来るようであれば米FRBの 利下げ回数や利下げ幅が現時点で予想されているよりも抑制される可能性がある点には 注意しておきたい。 MINKABU PRESS
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