プラチナ週間展望=堅調、欧米の利下げ見通しが支援

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [10月21日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  8 月限  10 月 15 日〜 10 月 18 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          12,672    13,113 (18)   12,654 (15)     13,086         +402
  銀           151.4     154.9 (18)    151.4 (15)      154.9         +3.5
 プラチナ       4,658     4,870 (18)    4,644 (15)      4,835         +171
 パラジウム     5,000     5,000 (15)    4,900 (16)      4,900         -200
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        18  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12)  2,730.0    +53.7   | ドル・円    149.84      1.07 円安
  銀       (12)  3,323.4   +147.9   | 日経平均  38,981.75      -624.05
 プラチナ   ( 1)  1,024.5    +30.1   | NY原油 (11)  69.22        -6.34
 パラジウム (12)  1,084.90   +15.10  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 18日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化で米連邦準備理事会(FRB)の
利下げ見通しが支援要因、とした。
 プラチナは米国債の利回り低下や金堅調を受けて買い優勢となった。現物相場は3日
以来の高値1010.42ドルを付けた。プラチナ先限は7月23日以来の高値
4870円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は1003.51ドルで押し目を買
われた。
 10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は前月の11.5から23.4ポイント低
下のマイナス11.9となった。事前予想は3.6。また9月の米輸入物価指数は前月
比0.4%下落した。一方、9月の米小売売上高は前月比0.4%増と、事前予想の
0.3%増を若干上回った。また米新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の
24万1000件となった。事前予想は26万件。ドル高に振れたが、米連邦準備理事
会(FRB)の11月利下げ見通しに変わりはなく、金の支援要因になった。CMEの
フェドウォッチでは、11月と12月の25ベーシスポイント(BP)利下げが見込ま
れている。
 欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏でインフレが一段と抑制される一方、景気見通し
は悪化しているとの認識を示し、中銀預金金利を0.25%ポイント引き下げ3.25
%とした。ECBは次の動きについて新たな手がかりは示さず、今後のデータに基づい
て「会合ごとに」決定を下すと改めて表明したが、関係者は12月の利下げを見込んで
いる。また9月の英消費者物価指数(CPI)は前年比1.7%上昇と前月の2.2%
上昇から大幅に鈍化し、2021年4月以来の低い伸びとなった。イングランド銀行が
11月に利下げを実施するとの見方が強まった。
【ロンドンのプラチナETF残高が増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、14日のロンドンで17.61トン
(前週末17.55トン)に増加、17日のニューヨークで32.31トン(同32.
31トン)、16日の南アで11.08トン(同11.08トン)と変わらずとなっ
た。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.95トン(同3.95トン)
と変わらず、ニューヨークで11.74トン(同10.28トン)に増加、南アで0.
24トン(同0.24トン)と変わらずとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下
げ見通しを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建
玉明細報告によると、10月8日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越
しは2万3657枚(前週2万8132枚)、パラジウムの売り越しは7317枚(同
7863枚)に拡大した。
【中国の記者会見は期待外れ】
 中国の藍仏安財政相は12日の記者会見で、低迷する経済のテコ入れへ国債発行を
「大幅に」拡大する方針を示した。ただ諸施策の具体的な規模は示さなかった。また倪
虹・住宅都市農村建設相は17日の記者会見で、低迷する不動産セクターの支援に向
け、「ホワイトリスト」と呼ばれる銀行融資を受けられる住宅プロジェクトの対象を拡
大し、融資規模も4兆元に増やすと表明した。ただ上海株の戻りは売られ、投資家に失
望感が広がった。市場では、月末の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議後、
国債の増発や年度途中の予算修正などより踏み込んだ詳細が公表されるとみられてい
る。
当面の予定(イベント・経済統計)
21日 独生産者物価指数 2024年9月(連邦統計庁)
    米景気先行指数 2024年9月(カンファレンスボード)
22日 加鉱工業製品価格指数 2024年9月(カナダ統計局)
23日 米中古住宅販売統計 2024年9月(全米不動産協会)
    政策金利発表(カナダ銀行)
24日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年10月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年10月速報(Markit)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米新築住宅販売 2024年9月(商務省)
25日 独景況感指数 2024年10月(ifo)
    米耐久財受注 2024年9月速報値(商務省)
    米消費者信頼感指数 2024年10月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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